1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540304
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 幸夫 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (20162240)
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Keywords | 一方向凝固 / 動的シミュレ-ション / 動的相図 / 速度選択則 / 周期選択則 / 界面不安定性 / 格子気体模型 / 多重フラクタル |
Research Abstract |
a).合金の一方向凝固に対する動的なシミュレ-ションを行なった。空間周期及び容器のけん引速度(=結晶の成長速度)を色々に変えて、成長界面の形態に関する相図を調べた。特に樹枝列結晶に対しては、先端曲率半径Rと成長速度Vの間に相似則が普遍的に成立つのを見出した。つまりVR^2は過冷却度によらず、界面張力の異方性にのみ依存した。この関係は以前に、自由な樹枝状結晶成長の動的シミュレ-ションで我々が見出していたものである。 周期選択性に対しても新しい知見が得られた。以前からセル列結晶の場合には先端分裂により周期調整がなされることが分かっていたが、今回樹技列結晶では列の谷間で横技が不安定となって急成長し、谷を埋めて周期を調整するというモ-ドが見出された。これは揺らぎに誘導された不安定性であり、線型解析は難しいと思われる。 以上2点はPhysical Review letters 63(1989)2377に掲載され、また第9回国際結晶成長学会(IC^^+C-9)でも発表された。 その他、多周期にわたって拡がった系で、色々の周期の競合から最終波長が選ばれる過程をシミュレ-としているが、まだ最終結果には達していない。 b).格子気体からのフラクタルな凝集体の成長についてシミュレ-ションし、成長速度だけでなく、界面の幅のスケ-ル則が我々の理論通りに確認された。出来た凝集体の構造が多重フラクタルであるかの検討を行なっているが、多分単純フラクタルと思われる。結晶化を粗いグリッド上でのみ許すことにより、揺らぎの効果を減らすと、フラクタル凝集体から、より規則的な樹枝状結晶へと移行するのが見られた。この時、成長速度から推測されるフラクタル次元は減少して、樹枝状結晶で予想されるものへと移るようである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Saito: "Monte Carlo studies of equilibrium and growth shapes of a crystal" Physical Review A. 40. 3408-3419 (1989)
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[Publications] M.Uwaha: "Aggregation growth in a gas of fnite density:Velocity selection via fractal dimension of diffusion-limited aggregation" Physical Review A. 40. 4716-4723 (1989)
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[Publications] Y.Saito: "Directional Solidification:Transition from cells to dendrites" Physical Reviw Letters. 63. 2377-2380 (1989)
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[Publications] C.Misbah: "Dendritic Growth and Direction Solidification" J.Crystal Growth. (1990)
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[Publications] Y.Saito: "Lattice-Gas Model Simulation of Crystal shapes" J.Crystal Growth. (1990)
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[Publications] M.Uwaha: "Fractal Aggregation and Dendritic Crystal Growth" J.Crystal Growth. (1990)