1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 保憲 東京大学, 教養学部, 教授 (60012308)
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Keywords | 第5の力 / レ-ザ-干渉計 / 重力波 / 宇宙項 / インフレ-ション |
Research Abstract |
1.これまでに提出されたいろいろな理論的模型を総合的な観点から総括し、今後の実験的研究の指針とする計画は一応完結し、まもなくInt.J.Mod.Phys.Aに総合報告論文として出版される予定である。これから得られる一般的な結論として、理論的予言は何れも数値的にはオ-ダ-評価以上にすることができず、これは素粒子論の現段階からするとやむを得ないこと、したがってこれまでなされたいわゆる第5の力の実験が否定的な結果を与えたとしても、一層高精度の実験を行うことには十分な理論的理由がある、ということであり、論文においても特に強調された点である。 2.現在まで行われた実験よりさらに高い精度で、しかもレプトンへの結合を探索することを目標として、超高感度のレ-ザ-干渉計を利用する提案を行い、Phys.Lett.Bに出版される予定である。これは有限到達距離重力が局所的に電子の質量を変えるような働きをする効果を検出しようとするものである。この実験が重力波探知の実験計画の一部として実行できるようになるため、さらに詳細な検討をしなければならない。 3.スカラ-場に関連して宇宙項問題の追求がなされた。宇宙定数が宇宙時と共に減少するという理論的模型についての研究はPhys.Rev.Dに出版され、一般的な枠組みが用意された。さらに最近では宇宙項がゼロではないという観測結果もある。これは宇宙の密度パラメタ-が小さいという観測結果と組み合わされ、インフレ-ション模型の予言と一致しないという問題と重要な関係がある。これに対応するために模型をさらに拡張してみた。一応の結果はPhys.Lett.Bに出版された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasunori Fujii and Tsuyoshi Nishioka: "Model of a Decaying Cosmological Constant" Physical Review D. 42. 361-370 (1990)
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[Publications] Yasunori Fujii and Tsuyoshi Nishioka: "Reconciling a Small Density Parameter to Inflation" Physics Letters B. 254. 347-354 (1991)
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[Publications] Yasunori Fujii: "Locally Varying Particle Masses due to a Scalar FifthーForce Field" 255. 439-444 (1991)
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[Publications] Yasunori Fujii: "Theoretical Background of the Fifth Force" International Journal of Modern Physics A.