1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540309
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Research Institution | College of Arts and Sciences, University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 保憲 東京大学, 教養学部, 教授 (60012308)
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Keywords | 第5の力 / 宇宙定数 / レ-ザ-干渉計 / スカラ-場 |
Research Abstract |
1.有限致達距離重力そのものに関する各種の理論的模型の再検討は、昨年度でおおよそ終了し、今年度はその発表の機会に当てられた。台北中国科学院における講義(1991年4月)、6th Marcel Grossmann Meeting on general Relativity (同6月、京都)における招待講演などがそれである。これらの講演を通じ、特にこれまでの考えとは違って、宇宙論的な致達距離の可能性も取り上げられた。 2.宇宙定数問題の追求をさらに深めた。ここに登場するスカラ-場は、他の素粒子とは非常に弱い結合しかしない。そのため、宇宙を十分再加熱しないのではないか、という疑問があった。またふつうのシナリオとは違って振動相がないことも、そういう疑問を生じさせた。しかし別種のスカラ-場、たとえば強い相互作用をするヒグス場などがあれば、共型変換によって問題のスカラ-場との微分相互作用が自然に生じ、宇宙初期にのみ強い結合をもたらす。これにもとずく詳細な計算により、現象論的に期待される程度の再加熱が実際に行われることを確認した。結果はPhys.Rev.Dに掲載される予定である。 3.昨年度提案された超高感度レ-ザ-干渉計を利用する試みをさらに発展させた。すなわち、FabryーPerot共振器を、しきい近くで作動するレ-ザ-で置き換える可能性が検討された。最近ではレ-ザ-の振動数幅をHz以下にする技術が開発されている。このような極細レ-ザ-を共振器として使うと、そのQ値は10^<15>を越え、FabryーPerot共振器のそれに比べて数桁大きくすることができ、したがって10^<-24>くらいの長さの変化を干渉計によって検出する可能性がでてくる。このような場合についての理論的検討、および実験家との討論が進められた。
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Research Products
(1 results)