1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540326
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗田 敬 東京大学, 理学部, 助手 (00111451)
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Keywords | 熱対流 / 組成対流 / 2相分離 / 液体不混和 |
Research Abstract |
従来対流現象として取り上げられてきたのは熱膨張による密度変化を駆動力とする熱対流現象であったが、地球内部の熱・物質輸送を考える上では物質の相変化が関与した組成対流が本質的に重要である。この相変化を起こす場での組成対流プロセスをあきらかにするために液相不混和系の対流現象の研究をおこなった。モデル物質はシクロヘキサン-メタノ-ル系でありT=46度に上側臨海点を持つ。すなわちT=46度より上では2相は完全に混じり合い、以下の温度では両者は2相に分離する。シクロヘキサン-メタノ-ル系を選んだ理由は両者の密度差が小さくそのために熱対流現象と組成対流現象のカップリングが見られることである。この条件は地球物質でも類似である。実験では温度・組成の種々の条件に設定し、均一系から出発し温度を下げて2相分離を起こすプロセス、2相分離状態より出発(温度を上げて均一化に至るプロセスの流体運動、温度場を調べた。2相領域より出発して均一化するプロセスでは、最初対流は2流体に独立しておき、境界に大きな熱境界層を形成する。上下面での温度差を大きくしていくにつれて境界層にあらわれた振動が次第に大きくなり非線型化し、オ-バ-タ-ンをおこして均一化に向かう。この振動の非線型化・混合プロセスは興味深い現象であり本研究で整備した画像処理装置で現在定量的に解析中である。このような対流現象は地球マントルでの上下マントル対流、核での内核の成長、木星もいぶの対流現象に関連している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Omura,K.Kurita and M.Kumazawa: "Experimental Studies of pressure dependence of electrical conductivity of olivine" P.Earth Planet.Inteior. 57. 291-303 (1989)
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[Publications] A.Yasuda,K.Kurita and T.Fujii: "Melting relation of an anhydrous abyssal basalt at high pressures" “Dynamic processes of matrial transport & transformation in the EArth's interior". (1989)