1990 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星デ-タ解析に基く地球磁気圏電流系の物理構造と沿磁力線電流系との結合の決定
Project/Area Number |
01540348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯島 健 東京大学, 理学部, 助教授 (70011624)
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Keywords | Region1沿磁力線電流系 / Region2沿磁力線電流系 / 磁気圏赤道環電流 / 磁気圏赤道動径方向電流 / 降下プラズマ核部分“C" / 降下プラズマ爆発部分“B" / 沿磁力線イオン巨視流 / 磁力圏境界層 |
Research Abstract |
1.サブスト-ム時の電流系。沿磁力線電流を根幹とする3次元電流系の形成には、磁気圏赤道で発達する2個の異なったモ-ドが必要である。1個は西向きの環電流の強化(グロ-ス相)と部分的崩壊(エクスパンジョン相)のモ-ド、他の半径方向(朝方で地球から外向きに流れ、夕方で地球に向かって流れる)電流の発達のモ-ドで、これはサブスト-ム相のすべてにわたって存在する。 2.沿磁力線電流系と降下プラズマ粒子の関係。Region1とRegion2沿磁力線電流系領域にプラズマシ-トを特徴づけるホットプラズマ粒子が対応するが、従来提唱されてきたBPSとCPSという把握は雑すぎ、イオンと電子の観測結果を用いて、エネルギ-束、粒子束、速度分布関数、エネルギ-束の動的スペクトラムを解析した結果、降下プラズマは3個の異なった性質を示す領域より成り立っていることを発見した。最も低緯度側にほぼ常時存在し核なる部分“C"、これのすぐ高緯度側に発生し、磁気圏嵐のエクスパンジョン相の開始後、爆発的にその領域が高緯度側へと広がる部分“B"、最も高緯度側にエクスパンジョン相の開始後、発生し、地球に向かって磁気圏から電離圏へ流入するイオン流の存在する部分“A"とで構成される。Region2電流系はプラズマ降下部分“C"にほぼ対応し、Region1電流系はほぼプラズマ降下部分“B"に対応する。プラズマ降下部分“A"には、Region1電流と流れの方向が逆で強度のずっと弱い沿磁力線電流が発生している場合が多い。従来提唱されてきた、局所的な発生を本質とする磁場中性面(又は線)加速や電流系の部分的崩壊の機構では新しい事実を十分説明することは出来ず、比較的地球に近い磁気圏領域で発生し、爆発的に広範囲領域に広がる粒子加速機構の必要性が示唆される。沿磁力線電流系の発生源は夜間磁気圏のプラズマシ-ト及びリングカレントと、昼側磁気圏の磁気圏境界層とに分離して存在する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takesi IIJIMA: "Largeーscale characteristics of magnetospheric equatorial currents." Journal of Geophysical Research. 95. 991-999 (1990)
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[Publications] J.R.KAN: "A model of coupled radial and azimuthal current loops associated with substorms." Journal of Geophysical Research. 95. 21291-21296 (1990)
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[Publications] S.ーI.AKASOFU: "An excellent simularities between groundーbased and satellite observations." Planet.Space Sci.38. (1990)
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[Publications] Takesi IIJIMA: "AGU Monograph “Magnetospheric Substorms" ーー Relationship between three distinctive parts comprised in ion and electron precipitation and fieldーaligned currents during substorm." American Geophysical Union, 300 (1991)