1989 Fiscal Year Annual Research Report
高分子電解質-界面活性剤協同結合系に形成される分子集合体のキャラクタリゼ-ション
Project/Area Number |
01540382
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
早川 勝光 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (10041229)
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Keywords | 高分子電解質 / 界面活性剤 / ポリペプチド / 協同結合 / 可溶化 / コンホメ-ション / エネルギ-移動 / 界面活性剤クラスタ- |
Research Abstract |
1.高分子イオン/界面活性剤複合体に溶解したピレンの分光学と可溶化色素間のエネルギ-移動 種々の高分子イオン/界面活性剤協同結合系に溶解したピレンの蛍光スペクトルを解析した結果、複合体がミセルに近い疏水的環境を形成していることが分かった。このことは、結合した界面活性剤がミセルのようなクラスタ-を形成していることを示し、協同結合モデルによる予測と一致している。この界面活性剤クラスタ-の形成により励起ピレンからプロフラビンへの効果的なエネルギ-移動が生じることが分かった(投稿準備中)。 2.ポリビニル硫酸/界面活性剤複合体による油溶性色素の可溶化 水に全く溶解しない油溶性色素オイルイエロ-の可溶化量は、界面活性剤結合量が大きくなるとともに増大し、また、色素の共存によって界面活性剤の結合が促進されることがわかった。これを協奏協同結合モデルで取り扱ったところ定性的にはこれらの現象と一致した(投稿中)。 3.界面活性剤の結合にともなう高分子イオンのコンホメ-ション変化 ポリ-L-オルニチン(PLO)とポリ-L-リジン(PLL)によるアルカンスルホン酸イオン(鎖長:炭素数9〜12)の結合量を測定し、またそのコンホメ-ションを円二色性スペクトルで測定した。界面活性剤の結合にともなって、PLLではβ構造がPLOではヘリックス構造が誘起されるが、その規則構造の割合は,結合した界面活性剤クラスタ-のサイズと相関していることを明らかにした(印刷中)。また、両端にイオン基をもつα,ω型アルカン二硫酸(CnS2と略す)との相互作用によって,、C16S2ではPLOはヘリックスをPLLはβ構造を誘起するが、C12S2ではPLLで界面活性剤低濃度でβ構造を高濃度でヘリックスを誘起し、二段階転移することを明らかにした(投稿中)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 早川勝光: "Spectroscopy of Rhodamine 6G Solubilized in Complexes of Anionic Polyumers with Cationic Surfactant" Colloids and Ssurface.
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[Publications] 早川勝光: "Conformational Change of Poly(L-lysine)and Poly(L-ornithine)and Cooperative Binding of Sodium Alkanesulfonate Surfactants with Different Chain Length" Colloid and Polymer Science.
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[Publications] 早川勝光: "Conformation of Poly(L-lysine)and Poly(L-ornithine)in α,ω-type Surfactant Solutiond" Bioactive and Compatible Polymers.
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[Publications] 早川勝光: "Solubilization of Water-insoluble Dye by Cooperative Binding System of Surfactant and Polyelectolyte" Langmuir.