1989 Fiscal Year Annual Research Report
10-S-3型スルフラン化合物の合成と超原子価結合エネルギ-の実験的評価
Project/Area Number |
01540427
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大方 勝男 広島大学, 理学部, 助教授 (50033882)
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Keywords | スルフラン / 超原子価 / 束縛回転 / 置換基効果 / ピリミジン / 線形解析 / アンチモン / ビスマス |
Research Abstract |
1.10-S-3型スルフランの合成:アミノピリミジン、アミノピリジン、アミノチアゾ-ル誘導体にチオホスゲンを作用して対応するイソチオシアナ-トを調製後、これに種々の置換アミノピリミジンを反応してチオ尿素誘導体を合成した。これを塩化スルフランで酸化することにより超原子価化合物の10-S-3型スルフラン類に変換した。これらの各種スペクトルデ-タを検討して、ピリミジン環が分子平面に固定されていることを明らかにした。この原因として窒素-硫黄-窒素間に超原子価結合が生成していると考えた。温度可変の核磁気共鳴スペクトルを利用して、ピリミジン環の束縛回転を解析し超原子価結合による安定化エネルギ-を算出した。 2.超原子価結合エネルギ-の評価:ピリミジンとピリミジンが縮環した非対称な10-S-3型スルフランにおけるピリミジン環の束縛回転は環上の置換基の電子効果に依存し約16〜19kcal/molであった。ピリミジン環のみが縮環した10-S-3型スルフランにおいても同様の現象が観測された。^1HNMRスペクトルの線形解析から△G^キ=16.9kcal/mol、△H^キ=15.9kcal/mol、△S^キ=2.4euの熱力学パラメ-タを求めた。一方のピリミジン環ハロゲンなどの電子求引基を導入すると、地方のピリミジン環よりも容易に回転することを認めた。しかしその平均値は無置換の場合とほぼ同程度であった。これらのピリミジン環の回転しやすさの度合は超原子価結合(N-S-N)の強さのバランスに依存していると考えると理解できる。さらに、これにの事実は極限構造式の寄与度の差異により合理的に説明できた。 3.他の超原子価化合物の合成:アンチモンやビスマスを含むアザスチボシンやビスモシンを合成し、そのハ員環の複素環における超原子価相互作用について研究した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大方勝男: "Synthesis and Chemical Behaviors of 12-Substituted Diben2[c,f][1,5]azastibocine and Dibenz[c,f][1,5]azabismocine Derivatives:Evidences of 10-Pn-4 Type Hypervalent Interaction" Tetrahedron Letters. 30. 4841-4844 (1989)
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[Publications] 大方勝男: "Restricted Rotation of Pyrimidine Ring in Symmetrical 10-S-3 Sulfarane:Evaluation of Hypervalent N-S-N Bond Energy" Tetrahedron Letters. 31. (1990)
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[Publications] 季龍均: "Synthesis of Oxasteroidal Skeletons by(4+2)Type Cycloaddition of Coumarin and 6-Methyl-2-pyrone with Siloxydienes Mediated by t-Butyldimenthylsilyl Triflate" Heterocycles. 30. (1990)
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[Publications] 大方勝男: "Synthesis of a New Dibenzobicyclic Stiborane by way of 10-sb-4 Hypervalent Intermediate:1,1-diaryl-5-aza-2,8-dioxatstiva^v-dibenzo[c,f]bicyclo[3,3]octadiene" Tetrahedron Letters. 31. (1990)