1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540490
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
市村 彰男 大阪市立大学, 理学部, 助手 (50047396)
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Keywords | 非水溶媒 / 電気分析化学 / 基準電位 / 溶媒効果 / フェロセン / 鉄ジカルボリド錯体 |
Research Abstract |
非水溶媒中での電気分析化学的研究において、溶媒に依存しない電位基準を確立する必要があり、新しい基準電位として[Fe(cp)_2]^<+/0>及び[Fe(cp)(cb)]^<0/->(cp=cyclopentadieny1,cb=η-(3)-1,2-dicarbollyl)のそれぞれの酸化還元対の酸化還元電位(E^O')の平均値((E^O'([Fe(cp)_2]^<+/0>)+E^O'([Fe(cp)(cb)]^<0/->)/2)を提案し、その妥当性について検討した結果を報告する。 1.補助金による設備備品であるトランジェントメモリ-を用いることにより、性質の異なった16種類の溶媒中でのサイクリックボルタンメトリ-測定からE^O'([Fe(cp)_2]^<+/0>)およびE^O'([Fe(cp)(cb)]^<0/->を正確に求めることが出来た。また極微小電極をもちいての定常状態ボルタンメトリ-での拡散限界電流から正確な拡散係数を求めることが出来た。 2.拡散係数と用いた溶媒の粘度との間にはStokes-Einstein式が成立ち、中性媒体[Fe(cp)_2])および[Fe(cp)(cb)]はこれらの溶媒と特異的な相互作用をしていないことが明かとなった。 3.提案した基準電位と、以前に提案された基準電位(E^O'(R^+/R^-)R=[Fe(bpy)_3]、perylene数種類の溶媒中のみ測定可能)との差は測定誤差内で一定であり、提案した基準電位はさらに多くの溶媒中で用いることが出来ることが分かった。 4.補助金による設備備品である恒温循環槽を用いて、E^O'([Fe(cp)_2]^<+/0>)およびE^O'([Fe(cp)(cb)]^<0/->の温度変化より電極反応エントロピ-を求め、[Fe(cp)_2]^+、[Fe(cp)(cb)]^-の溶媒和について興味ある知見が得られた。
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Research Products
(2 results)