1989 Fiscal Year Annual Research Report
シクロペンタジエニル基とホスフィンを有する四官能性架橋配位子の異種二核錯体
Project/Area Number |
01540517
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 壽勝 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (50029443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 知浩 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20079057)
上田 龍雄 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (90151795)
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Keywords | 異種二核錯体 / 架橋配位子 / シクロペンタジエニルホスフィン |
Research Abstract |
1.研究計画に示したように前期及び後記遷移金属からなる異種二核錯体において2つの金属が空間的に近づき得るように設計した四官能性架橋配位子Me_2Si[3-C_5R_3(CH_2)_nPPh_2]_2^<2->(1__〜;R=H,n=2,2;R=H,n=3,3__〜;R=Me,n=3)の収率良い合成法を開発した。また、前期遷移金属としてTi及びZrを用い、1__〜、2__〜及び3__〜を配位子とするTiCl_2及びZrCl_2錯体を合成した。これらTi及びZr錯体は予想されるようにmeso体とdl体を含み、いずれもmeso/dl=1/1で生成し、また、ホスフィン部分はTiおよびZrに配位せず、freeであることを明らかにした。 2.1__〜及び2__〜を配位子とするZrCl_2錯体(4__〜;R=H,n=2,5__〜;R=H,n=3)とMCl_2L(M=Pd,Pt,L=2PhCN,COD)の反応により4__〜及び5__〜をキレ-ト配位子とするZr(IV)-Pd(II)及びZr(IV)-Pt(II)錯体を合成し、meso体とdl体をそれぞれ単離した。その結果、meso-4__〜及び5__〜はいずれも特異的にsquare planar構造のPd(II)及びPt(II)にシスキレ-ト配位し、meso.cis体を与え、一方dl-4__〜及び5__〜はトランスキレ-ト配位し、dl,trans体を生成することを明らかにした。dl,trans体においては異種金属が空間的に近接していることが予想され、現在これらZr(IV)-Pd(II)及びZr(IV)-Pt(II)錯体の構造の詳細についてX-線結晶構造解析を行っている。 3.4__〜とMo(CO)_4NBDの反応では、meso-及びdl-4__〜がそれぞれ特異的にOh構造のMoにトランス及びシスキレ-ト配位したmeso,trans-及びdl,cis-Zr-Mo(CO)_4二核錯体が生成する。また、5__〜とMo(CO)_4NBDの反応では相当するmeso,trans体とdl,cis体だけでなくdl,trans体も得られ、メチレン鎖の長いn=3の場合にはdl,trans構造が立体的に可能であることを見い出した。 これら得られた結果の一部については日本化学会第59春季年会(平成2年4月、横浜)において講演発表する。
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