1989 Fiscal Year Annual Research Report
4配位平面形フタロシアニン鉄錯体における結合性。メスバウア分光による置換基効果の研究
Project/Area Number |
01540519
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大矢 とし江 帝京大学, 薬学部, 助教授 (80087006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40197306)
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Keywords | フタロシアニン鉄錯体 / メスバウア分光 / 結合性 / 置換基効果 / 電子状態 / フタロシアニン誘導体 / ハメットの置換基定数 / 4配位錯体 |
Research Abstract |
〔目的〕ヘム蛋白のモデル錯体として、アザポルフィリンであるフタロシアニン誘導体の鉄錯体について電子状態を調べた。平面配位子と鉄との間の固有の結合性について研究するために、6配位八面体形鉄錯体ではなく、4配位平面形錯体を扱う。メスバウアスペクトルの異性体シフトδおよび四極子分裂△Ε_Qから、配位子と鉄原子との間のσおよびπ結合性を表わすパラメタΣおよびΠを決める。 〔方法〕1.右上に示す構造図のR_1〜R_4で種々の書換基をもつ、フタロシアニンの4配位平面形、中間スピン鉄(II)錯体を合成した。 2 これらの錯体のメスバウアスペクトルを、室温、液体窒素温度および液体ヘリウム温度で測定した。 3 液体ヘリウム温度(基底電子状態)における異性体シフトδおよび四極子分裂△Ε_Qから、平面配位子(フタロシアニン誘導体)のσおよびπ結合性を表わすパラメタΣおよびΠを決めた。 〔結果・考察〕ΣおよびΠはそれぞれ配位子のσおよびπ結合性の尺度で、電子供与/受容性が大きい/小さいほど大きい。既に考えついていた方法で、これらのパラメタを決めると、図のようになった。1〜14は異なる錯体に付けた番号、Σσはハメットの置換基定数の和で、三角がΣ、菱形がΠに対応する。この結果は、置換基の誘起および共役効果を表わしているものと解釈できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagao Kobayshi: "Mossbauer and ESR spectroscopy of tetranitro-and tetraamido-phthalocyaninatoiron" Makromolekulare Chemie,Rapid Communications. 10. 1-4 (1989)
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[Publications] Jun Takeda: "A new synthesis of octraarylporphyrin:naturally occurring porphyrin mimics" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 38. 264-6 (1990)
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[Publications] Toshie Ohya: "Bonding character in tetracoordinate(Phthalocyaninato)-itonz(II)complexes with electron-releasing substiturents as studied by Mossbauer spectroscopy" Inorganic Chemistry.
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[Publications] Jun Takeda: "Effect of substituent postions in the acid-base chemistry of porphyrins" Inorganic Chemistry.