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1990 Fiscal Year Annual Research Report

金華山島の群落の退行遷移(ギャップ形成と草原群落拡大)に及ぼすシカの影響

Research Project

Project/Area Number 01540539
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

高槻 成紀  東北大学, 理学研究科, 助手 (00124595)

Keywords島嶼生態系 / ニホンジカ / 採食 / 草食獣 / シバ / ギャップ形成 / 退行遷移 / 森林更新
Research Abstract

シカが高密度で生息する金華山島においてシカによる退行遷移を調査した。
1.ブナ林において15年間シカの影響を排除した柵の内外の比較をした。
(1)ブナ若木の密度は柵外で0.1本/m^2、柵内では1.1〜1.2本/m^2であり、シカの影響は明白であった。
(2)金華山島のブナ林構成樹では、他のブナ林に比べて直径20cm以下の個体密度が著しく低かった。ただし柵を作れば、ササなどの被陰がないため、若木の密度は非常に高くなった。
2.金華山島のモミ林と牡鹿半島のモミ林とを比較した。
(1)牡鹿半島ではアケビ、ヤマウコギ、オオバクロモジ、ムラサキシキブ、チゴユリ、キバナアキギリ、ウリハダカエデなどが多く、金華山島ではセンボンヤリ、サジガンクビソウなどが多かった。
(2)牡鹿半島のモミ林にはさまざまな遷移段階のものがあり、出現種数も多かったが、金華山島のモミ林は大径木で構成されており、遷移段階は進んでいると判断された。
(3)金華山島のモミ林では直径20cm以下のモミが少なかった。直径20cmのモミは80〜100歳に相当するから、金華山島のシカの密度が高くなったのは80年から100年程度以前からであると推定した。
3.金華山島のアズマネザサ群落は1969年当時は草丈40cm以上の場所が70%を占めていたが、過去20年間にシカの採食によりシバ群落へと移行し、現在では20cm未満の場所が70%以上となった。シカの密度が数百頭/km^2になると長草型群落は維持できず、短草型群落へ移行することが明らかになった。
4.シバ群落の生産特性を調査した。
(1)刈り取り実験によると、刈り取り間隔にかかわらず最終収量は一定であった。
(2)シバの採食影響下のシバの採食率は10日刈り取りの「刈り取り率」よりも高かった。
(3)シバ群落と柵で囲うと、シバは直立し、葉は長くなり、「直立茎」の密度が低くなるなどの変化がみられた。
(4)柵設置1年後には他種の侵入が始まり、シバは減少した。
(5)シバは採食に耐性があるというよりは、他種の排除を必要とするという意味で、むしろ採食に依存的であると考えた。

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Published: 1993-08-11   Modified: 2016-04-21  

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