1991 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の不飽和脂肪酸シス/トランス異性代酵素の特性と役割
Project/Area Number |
01540557
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥山 英登志 北海道大学, 理学部, 助教授 (90125295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 泰弘 北海道大学, 理学部, 講師 (10163213)
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Keywords | 耐冷菌 / Pseudomonas / シス・トランス異性化酵素 / トランス型不飽和脂肪酸 |
Research Abstract |
耐冷菌Pseudomonas Eー3株はシス型不飽和脂肪酸である9ーヘキサデセン酸(9ーcー16:1)をトランス型(9ーtー16:1)に異性化する酵素を少なくとも2種類持つことが明らかとなった。1つは可溶性画分に存在し、遊離の9ーcー16:1を基質にするものであり、1つは細胞膜結合性で、リン脂質のホスファチジルエタノ-ルアミン(PE)に結合している9ーcー16:1を基質とするものである。いずの酵素も従来知られていない新規な酵素である。本研究では可溶性画分に存在する酵素を硫安分画、HPLCを用いたイオン交換・疎水性・ゲル濾過の各クロマトグラフィにより約5000倍に精製した。この標品のSDSーPAGEの結果から本酵素は分子量39000、42000の2種類の蛋白質からなることがわかった。他方、nativeーPAGEでもこの2種類の蛋白質は分離可能であることから、本酵素は全く異なる2種類の蛋白質の共存により活性を発現させることが明らかとなった。 本酵素は0℃で最大活性を示し、-20℃でも活性を維持しているという特異な性質を持つことがわかった。酵素活性はαートコフェロ-ルなど不飽和脂肪酸の抗酸化剤で強く阻害された。基質としては9ーcー16:1に強い特異性を示したほか、9ーシスーテトラデセン酸、11ーシスーヘキサデセン酸を低い効率ながら基質とした。これらの結果らは本酵素の不飽和脂肪酸の鎖長および二重結合の位置の認識機構は特定できない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Morita,H.Hayashi,H.Okuyama,N.Goto,N.Okajima,H.Higashi & N.Murata: "Both the anaerobic pathway and aerobic desaturation are involved in synthesis of unsaturated fatty acids in Vibrio sp.strain ABEー1." FEBS Letters. 297. 9-12 (1992)
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[Publications] N.Morita,N.Okajima,M.Gotoh,H.Hayashi,H.Okuyama,S.Sasaki: "Synthesis in vitro of very long chain fatty acids in Vibrio sp.strain ABEー1." Arch.Microbiol. (1992)
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[Publications] R.Kawazoe,H.Okuyama,W.Reichandt,S.Sasaki: "Phospholipids and a novel glycineーcontaining lipoamino acid in Cytophada johnsonae Stanier C21. J.Bacteriol." J.Bacteriol. 173. 5470-5475 (1991)