1991 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物培養細胞の細胞周期とチュ-ブリン分子種の変動
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01540561
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡村 昭治 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (60019122)
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Keywords | アイソフォ-ム / 細胞周期 / タバコ / チュ-ブリン / チュ-ブリン遺伝子 / 同調培養 / ニンジン |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、タバコ培養細胞においてβーチュ-ブリンが3〜4種のアイソフォ-ムから成ることを示し、細胞周期の進行にしたがってその構成比率が変化する事を示した。またノ-ザンブロッティング解析より発現されているβーチュ-ブリン遺伝子はそのmRNAサイズからは単一であり、細胞周期を通して発現されていた。本年度は蛋白質レベルでの各アイソフォ-ムの構成比率の変化をより明確にする為等電点電気泳動の条件、特にスペ-サ-の利用によるバンドの分離の向上について検討した。まだバンドの分離は不十分だが細胞周期の進行に従って各アイソフォ-ム間にそう大幅ではないが規則的な変動がある事を確認した。また蛋白レベルで見られたアイソフォ-ムが単一の遺伝子産物に由来するかどうかを調べる為タバコcDNA及び、ゲノムDNAを調製し、それらのインバ-スPCRによるβーチュ-ブリン遺伝子のクロ-ニングを試みたが何れの場合も特異的な産物の増幅ができず、サブタイプ特異的プロ-プによる解析はできなかった。一方ニンジン細胞については、ゲノムDNAのサザン解析より、βーチュ-ブリン遺伝子が一個である可能性が示唆され、蛋白レベルでの2個の主アイソフォ-ムと考え合わせ、ニンジンでのβーチュ-ブリン分子種の構成が比較的単純である可能性が充唆された。また昨年度に引き続き、既にクロ-ニングされているニンジンβーチュ-ブリンcDNAを有効に利用する為ニンジン細胞での高度同調化を目的としてアフィディコリン高感受性株の分離を試みた。本年度は各種の変異原処理を行い、選抜を行ったが、まだ満足できるような株は得られていない。本年までの研究ではニンジン同調培養を利用してタバコで観察したようなアイソフォ-ムの変動を確認する所まではできなかったが、今後、より単純と考えられるニンジンの系でこの問題を更に明らかにできるものと考える。
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