1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540568
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
勝見 允行 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10052242)
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Keywords | IAA / ジベレリン / 細胞壁 / トウモロコシ / 葉鞘伸長 / 矮性 |
Research Abstract |
細胞壁組成について:トウモロコシのジベレリン(GA)欠損矮性突然変異d5の場合、その分離正常(高性)体との間で有意差がみられたのは、ヘミセルロ-スB(HB)分画であり,d5の方がその含量は多かったHB分画の構成分子の分子量分布をgel permeation HPLCで分析すると、d5のピ-クは約8Kdにあって,正常体のピ-クが0.3Kdにあるのに比べて高子量の分子種からなっていることが分かった。d5をGAで処理すると、HB分画の含量も正常体程度に低下し分子分布のピ-クも低い方シフトすることが分かった。この結果は、伸長成長には細胞壁のHB分が大きく関わっていること,GAの作用はこの分画と関係があることを示している。他方、正常体の数十倍ものGAを産し、GA受容体異常の突然変異と考えられている矮性トウモロコD8では、HB分画の量はその分離正常体よりやや多く、より多くの高子量分子種を含んでいた。しかし、分子量分布のピ-クは両者とも、約20Kdであり、d5の正常体の場合に比べて高いところで、ほぼ致していた。D8では、d5に見られるような、正常体との間に顕著な違い見られなかった。D8は細胞壁以外に矮性の主な原因があるとも考えられる。 内生IAA量について:矮性発現とIAA含量とが報告されているので、上記材料について検討した。IAAは常法によ抽出、GCーMSで測定した。d5では、IAA含量は正常体に比べて低かったが、GAはこれに対して影響がなかった。また,D8では,その分離正常体との間に差は認められなかった。これらのことから、トウモロコシd5との矮性発現は内生IAAのレベルとは直接関がないものと思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.KATSUMI and K.ISHIDA: "The gibberellin control of cell elongation" Gibberellins,Takahashi,N.,Phinney,B.O.and MacMillan.J.Eds.SpringerーVerlag,Tokyo. 211-219 (1990)
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[Publications] K.ISHIDA and M.KATSUMI: "Immunofluorescence microscopical observation of cortical microtubule arrangement as affected by gibberellin in d5 mutant Zea mays L." Plant Cell Physiol.32. (1991)
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[Publications] K.ISHIDA and M.KATSUMI: "Effects of gibberellin and ABA on microtubule arrangement in the hypocotyl cells of lightーgrown cucumber seedlings."
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[Publications] T.SATO and M.KATSUMI: "Expression of dwarfism in the cell wall architecture of the leaf sheath of d5 mutant of Zea mays L."