1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540569
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
高倍 昭洋 名城大学, 理工学部, 助教授 (80097766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 広史 名城大学, 理工学部, 講師 (00193607)
岩崎 行玄 名城大学, 理工学部, 講師 (20193732)
石川 浩 名城大学, 理工学部, 助教授
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Keywords | 太陽エネルギ- / 光合成 / 遺伝子発現 / 電子移動 / 食料問題 |
Research Abstract |
1.P700-クロロフィル蛋白質複合体の遺伝子の構造とその発現を制御する因子を解明する課題について (1)20kDaのサブユニットの遺伝子のクロ-ニングおよび塩基配列の決定が完了した。その結果、このサブユニットはpsaD遺伝子の翻訳産物であった。またこのサブユニットには膜を貫通するアミノ酸配列が認められないこと、matureなポリペプチドの局所的部位に正の電荷をもつアミノ酸が集中していることが明らかになった。さらに20kDaのサブユニットは暗所生育下では検出されないが、光照射によりP700アポ蛋白質とほぼ同じ速度で蓄積された。このサブユニットをコ-ドするmRNAは光照射により増加するが、暗所生育下でも検出されることが明らかになった。 (2)蛋白質間のクロスリンキングに関する実験により、プラストシアニンとの相互作用に重要なサブユニットを同定し、そのN-末端のアミノ酸配列を決定した。プラストシアニンとの相互作用の機構について検討中である。他のサブユニットの機能と構造に関する研究も順調に進行している。 2.チトクロムb6/f複合体のポリペプチドのチラコイド膜へのアッセンブリ-と、ヘムのポリペプチドへの組み込みの関係を明らかにする課題については、グリ-ニングの過程において複合体のサブユニットの化学量論比が変化することが明らかになった。蛋白質の合成速度およびmRNAについても検討したところ、この複合体の生合成は転写および翻訳活性の両方に支配されていることが明らかになった。 3.遺伝子操作を利用して大腸菌で発現させたプレカ-サ-・プラストシアニンのプレカ-サ-部分を切断して、銅をアポ蛋白質に取り込むことが可能であることを明らかにした。
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[Publications] T.Takabe and H.Ishikawa: "Kinetic Studies on a Cross-Linked Complex between Plastocyanin and Cytochrome f" J.Biochem.105. 98-102 (1989)
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[Publications] T.Takabe,H.Ishikawa,Y.Iwasaki,and H.Inoue: "Electron Transfer between Plastocyanin and P700 in Various Types of Photosystem I Complex" Plant Cell Physiol.30. 85-90 (1989)
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[Publications] 河村一,福田正,高倍昭洋: "クロロフィル電極を用いた陽極光電流の特性" 電気学会論文誌. 109-C. 587-592 (1989)