1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540586
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片桐 千仭 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90002245)
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Keywords | リポタンパク質 / リポホリン / 昆虫血液 / アポタンパク質 / ジグゼリド / リパ-ゼ / リポソ-ム |
Research Abstract |
動物血液中のリポタンパク質は,水に溶けない脂算を,その貯蔵場所から利用する場所へ血液を介して運ぶための脂質とタンパク質との複合体である。昆虫の場合は,リポホリンと呼ばれるリポタンパク質が脂質輸送に携わっている。リポホリンは,分子量60万,直径160A^^°の球形をしており,内部は,中心対称的な3層からできている。表層は、アポタンパク質I(分子量25万)とリン脂質の一重層からなり,内部コアに炭化水素,両者の中間にアポタンパク質II(分子量8.5万)とジグリセリドが存在している。そのうち,ジグリセリドや炭化水素は,その合成や貯蔵器官からそれらを必要とする組織や器官に運ばれる積み荷であり,残りの構成員は,荷車として脂質の輸送に携わり,再利用が可能である。本研究では,リポホリンの構造と機能をさらに詳細に解析するために,アポタンパク質を単離・精製し,それをリポソ-ムに組み込んだ再構成リポホリンを作ることを試みた。この再構成リポホリンを用いれば,各アポタンパク質の機能が明らかになると期待できるからである。昨年度,Sepharose CLー6Bカラムで,アポタンパク質のIとIIを単離することができたが,アポタンパク質Iには,脂質が未だ会合しており,水に不容でリポ-ムに組み込むことには成功していない。一方、アポタンパク質IIについては、リポリ-ムに組み込むことができ、ジグリセリド積み込み能を,そのリポソ-ムを用いて調べている所である。また,昆虫の長距離飛行の際、ジグリセリドをいつもの3倍量積み込んだリポホリンが形成されるが,そのリポホリン中のジグリセリドをin vitroでリパ-ゼによって人為的に加水分解して除くことに成功した。これは,荷物であるジグリセリドを降ろす機構の解明につながる実験である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] C.Katagiri: "Structure of Colorado potato beetle lipophorin:Differential scanning calorimetry and smallーangle Xーray scattering studies" Biochemistry. (1991)
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[Publications] C.Katagiri: "Characterization of Colorado potato beetle lipophorin:A hydrocarbonーrich diacylglycerolーpoor lipophorin" Comparative Biochemistry and Physiology. (1991)
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[Publications] T.Hiraoka: "Treatment of low density lipophorin with lipoprotein lipase and its effect of lipophorin structure" Journal of Lipid Research. (1991)