1990 Fiscal Year Annual Research Report
MIS(ミユラ-管抑制物質)とその受容体に関する研究
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01540612
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
能村 哲郎 埼玉大学, 理学部, 教授 (40072970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲也 埼玉大学, 理学部, 講師 (00195794)
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Keywords | ミユラ-管抑制物示 / エストロゲン / 精巣 / ミユラ-管 / ニワトリ / ウズラ / 受容体 |
Research Abstract |
鳥類のミユラ-管抑制物質(MIS:胚期の雌性生殖輸管原基の退縮を誘導する雄生殖腺由来の生理活性因子)の精製、および、ミユラ-管のMIS受容性について、以下の研究を行った。 1.ニワトリの初生雛および8週齢の雄の細切精巣を90分間培養し、培養中に放出された分泌タンパク質の硫安沈殿粗抽出物を透析により脱塩後、イオン交換クロマトグラフィ等により精製を進め、その各精製過程で、雌ウズラ胚ミユラ-管の器管培養系によりMIS活性を生物検定すると共に、ゲル電気泳動で還元状態および非還元状態での含有タンパク質の泳動パタ-ンを調べ、哺乳類で知られている分子種と比較した。 2.雌ウズラ胚から、MIS感受期およびMIS不応期のミユラ-管を集め、フェノ-ル・グアニジウム塩法でRNAを抽出し、オリゴ(dT)セルロ-ズ・アフィニティクロマトグラフィで取り出したmRNA分画を、ゲル電気泳動にかけ、泳動パタ-ンの相違を検討した。 3.ウズラ精巣のMIS産生能およびミユラ-管のMIS反応性におよぼす卵巣ホルモン(エストロゲン)の影響を検討した。発生初期に合成エストロゲン(DES:Diethylstilbestrol)の作用を受けたDES処理胚と正常胚のそれぞれからの、雄生殖腺と雌ミユラ-管を種々に組み合せて器管培養し、さらに、一部は培地へのDES添加等を行った実験の結果、雄生殖腺のMIS産生はDES処理によって低下するが、依然として活性を残していること、一方、ミユラ-管のMIS感受性はDES処理により著しい低下を示し、これらの相乗効果がDES処理雄胚のミユラ-管退縮の遅延または抑制をもたらすことが示唆された。
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