1989 Fiscal Year Annual Research Report
東北本州弧における15Ma直前の引張テクトニクスの研究
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01540622
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 憲四郎 東北大学, 理学部, 助手 (70004497)
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Keywords | 日本海拡大 / ハ-フグラ-ベン / 歪勾配 |
Research Abstract |
1.既存デ-タの整理と現地調査によって、以下の事が分った。 (1)日本海拡大直前から拡大中にかけて、多数のハ-フグラ-ベンが形成された。 (2)その分布は東北日本南部(山形県・新潟県の朝日山塊、山形県小国〜福島県猪苗代湖〜茨城県太田市、宮城県松島湾、仙台市南方〜福島県いわき市、福島県会津地方)で最も多く、東北日本北部では少ない。西日本せは少なく、中央構造線沿いに限られる。 (3)ハ-フグラ-ベンの幅は10Km程度のものがほとんどであり、東北日本ではNS〜NNE方向、西日本ではENE方向である。日本列島を日本海拡大以前の状態にもどした時、両地域のハ-フグラ-ベンは平行になる。 (4)ハ-フグラ-ベンの形成開始は、東北日本では阿仁合型植物化石産出層準の約23M_a頃で、阿仁合・台島混合型から台島型植物化石群産出層準の18〜15M_aには最も多くのグラ-ベンが活動した。西日本では明らかに遅れて、台島型植物化産出層準で形成された。両地域おも14M_a頃には活動を停止した。 (5)グラ-ベンは河川〜浅海性の大変厚い粗粒堆積層で堆積されていて、堆積速度は大変大きい。 (6)ハ-フグラ-ベンの傾動方向には明瞭な規則性がある。すなわち、東北日本東半部では東に傾動し、西半部では西に傾動していて対称性が認められる。西日本では南に傾動していて、東北日本東半部に対応する。 2.ハ-フグラ-ベン形成に関してスケ-ルモデル実験を実施しているが、傾動の方向性は水平方向の歪勾配に依存するという予察的結果が得られている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kenshiro OTSUKI: "Westward migration of Izu-Bonin Trench,northward motion of Philippine Sea Plate,and their relations to the Cenozoic tectonics of Honshu Arc." Tectonophysics.
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[Publications] 大槻憲四郎: "フィリッピン海プレ-トの運動と日本海の拡大" 月刊地球.