1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540626
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保柳 康一 信州大学, 理学部, 助手 (30202302)
小坂 共栄 信州大学, 理学部, 助教授 (20020670)
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Keywords | 手取層群 / 飛騨帯 / ジュラ起後期 / 白亜起前期 / 植物化石 |
Research Abstract |
本年度は、限られた期間であったが、岐阜県荘川村周辺の手取層群の地質調査を行うとともに、砂岩試料の採集を行ってきた。野外調査によって、ハンモッキ-斜交層理が見つかり、部分的には浅い海成層の存在することが明らかになった。また、その上位の地層では、河川の蛇行による水平付加を示唆する地層の重なりが見つかり、全体として、情報に浅海化・陸化していく傾向が確認できる。このような堆積物が見つかり、堆積層解析を行いうる見通しはでてきたが、試行するに足るほどの量の資料はまだ集められていない。また一方で、閃緑岩やヒン岩などの各種の貫入岩と多数の断層の存在が明らかになり、今後の調査に多少の困難をもたらすことが予想される。 砂岩は、非常に石英に富んだものであるが、必ずしも淘汰は良くない。また粒子の円磨度もよくない。採集してきた30個の砂岩試料の分析は間もなく完了する。一方、礫岩には非常に円磨のよいオ-ソコ-タイト礫が多いことも明らかになった。これらは、後背地の地質と堆積環境を解析する上で重要な資料となるであろう。 パ-ソナル・コンピュ-タ-およびX-Yプロッタ-を購入し、マルコフ解析と各種のデ-タを図化するための準備は、一部にソフトの不備があるが、ほぼ完了した。 新年度は、積雪が消え次第野が居調査に入り、地質図と堆積層解析の基礎となる柱状図の作成を行う計画である。昨年、近接した白川村の手取層群から恐竜の足跡化石が発見されているので、足跡や乾裂にも充分注意を払って調査を進める。また、礫岩の礫の形態と組成についてもくわしく検討し、砂岩の組成と併せて、堆積相解析に組み込む予定である。
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