1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540629
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮田 隆夫 神戸大学, 教養部, 助教授 (00107989)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
両角 芳郎 徳島県立博物館, 学芸係長
|
Keywords | 中央構造線 / 横ずれデュ-プレクス / 和泉層群堆積盆 / プルアパ-ト型堆積盆 / 非調和褶曲 / ステップ状断層構造 |
Research Abstract |
中央構造線(MTLと略称)に沿う和泉層群堆積盆(ISB)は典型的な横ずれ堆積盆として注目されている.本研究は,発達し長さ300kmにもおよぶISBの形成機構および変形様式を明らかにすることを目的とした.この研究で明らかになった点及び試みた点を以下に述べる.1.ISBの地域区分:MTL断層系・和泉層群(上部白亜系)分布図を作成し,両者の特徴から,ISBを5つのセグメント(A〜E域)に地域区分した.A域(四国西部)〜D域(和泉山脈)は和泉層群の分布が連続する地域である.しかし,これは複合して1つの堆積盆をなす可能性(作業仮説)もあり,和泉層群の形成年代の再検討を試みた.D域西部で77ー72MaのF.T.年代を得た.また,E域(五条以東)では微化石を分析し,Archaeodictyomitra等の放散虫化石を発見した[発表予定]. 2.ISBの形成機構:MTLの五条屈曲(奈良県五条市付近)より西域の構造図を作成し,MTLの横ずれ運動に伴う断層デュ-プレクス構造を明らかにした.ISBがMTLの屈曲部における横ずれデュ-プレクスの形成に起因するプルアパ-ト型堆積盆であることを論じた[Geology,v.18,p.392ー394,1990;構造地質,no.35,p.65ー70,1990].さらに,プルアパ-ト型堆積盆について,その形成機構を論じた[構造地質,no.36,1991,印刷中]. 3.ISBの変形様式:D域にタ-ビダイト相の和泉層群にみられる層面すべりに起因する変形構造(非調和褶曲・ステップ状断層構造)を計測し,層理面に沿う剪断ひずみを試算し(γ=0.3ー1.4),層面すべりの鏡肌を走査型電子顕微鏡で観察し,地層の運動方向を明らかにした.地層の運動方向及び堆積中心の移動方向から上述のMTLデュ-プレクス構造の断層ブロックの傾動方向を推定した[地質学会関西支部報,no.109,p.7,1990;日本地質学会第97年会講演要旨,p.346,1990;投稿論文準備中].
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Miyata,T.: "Cretaceous Izumi Sedimentary Basin:pullーaparts with duplex structure along Mdian Tectonic Line.Southwest Japan" 28th International Geological Congress,Washington D.C.,Abstracts. 2. 447 (1989)
-
[Publications] Miyata,T.: "Slump strain indicative of paleoslope in Cretaceous Izumi sedimentary basin along Median tectonic line,soutwest Japan" Geology. 18. 392-394 (1990)
-
[Publications] 宮田 隆夫: "横ずれ断層運動に伴う堆積盆の形成" 構造地質. 35号. 65-70 (1990)
-
[Publications] 宮田 隆夫: "プルアパ-ト堆積盆の形成機構" 構造地質. 36号. (1991)
-
[Publications] 宮田 隆夫: "和泉横ずれ堆積盆の堆積・変形様式" 構造地質. 36号. (1991)
-
[Publications] Miyata,T.: "Estimation of shear strain from stepーlike fault structures" Journal of Structural Geology.