1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540633
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 高明 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50145827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学部, 助手 (90160895)
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Keywords | 山陰 / 中新世 / 火山岩 / 微量元素 / 古地磁気 / 日本海 |
Research Abstract |
1.島根県松江市〜大田市の間で平成2年9月23日から27までの5日間、漸新世末から中新世にかけての火山岩について補足的な野外調査を行ない、化学分析用、古地磁気方位測定用および放射年代測定用試料を採取した。昨年度の調査で川合累層と大森累層の間に化学組成にあまり差が見られなかったので、調査の重点を川内層群においた。川内層群の古地磁気方位はすでに測定し報告しているので化学分析用試料のみを採取した。2.採取した試料の岩石薄片を作成し、偏光顕微鏡観察を行って各測定に適した試料を選択した。3.それらの試料と昨年度採取した試料でまだ分析していなかったものについて古地磁気方位と微量元素の化学分析を行った。古地磁気方位の測定結果は昨年の測定結果と調和的であり、西南日本が時計回り回転をした時期が16Maから14Maの間であることを強く示した。化学分析は中性子放射化法で行った。その結果、川内層群の希土類元素のコンドライト規格化パタ-ンも川合累層、大森累層のそれときわめてよく似ており、漸新世以降大森累層の噴出、堆積時まで火山岩類が大きく変化していないことを示した。ただし、Ba/La比は川合累層、川内層群、大森累層の順に低くなっており、今後もっと詳細に検討する必要がある。化学的性質の変化はむしろ西南日本の回転後の大森累層と松江累層の間で顕著にみられた。このことは回転中よりも回転直後に、西南日本下のマントルの性質が変化したことを示しているのかも知れない。4.昨年度に求めた、放射年代と古地磁気方位から推定される西南日本の回転時期と速度についてまとめ論文化した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Otofuji,Y.,Itaya,T.and Matsuda T.: "Rapid rotation of southwest Japan ー palaeomagnetism and KーAr ages of Miocene volcanic rocks of southwest Japan" Geophys.Jour.Intern.105. (1991)