1989 Fiscal Year Annual Research Report
中・古生界の生相および堆積相におけるゴンドワナ要素の研究
Project/Area Number |
01540643
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沖村 雄二 広島大学, 理学部, 教授 (60033825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 孝雄 広島大学, 理学部, 助手 (30133151)
宮本 隆実 広島大学, 理学部, 講師 (00090548)
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Keywords | ペリゴンドワナ / テチス海 / 中・古生代古生物 |
Research Abstract |
わが国の中・古生代古生物群の生活域については、これまでテチス海域およびユ-ラシア大陸域のものとして、それに疑いをはさまれたことはほとんどない。しかし一部では、すでにプレ-トテクトニクス論を基礎としたペリゴンドワナ海域古生物群のあることが指摘されている。この研究はユ-ラシア-ゴンドワナ両大陸の間に発達していた“テチス"海域から、現在の地中海-南アジア地域で両大陸縁にほぼ平行するかたちで発達していたと考えられる中央海嶺、島孤-海溝系によって、少なくともゴンドワナ大陸縁特有の古生物群をもつ海域が区分でき、その東方海域の堆積物・古生物群が日本列島の付加帯にあることを明らかにしようとしたものである。 現在、これまでに公表されてきた多くの論文、および研究代表者・分担者らの研究試・資料をまとめつつある段階であるが、“テチス海"東部域(本邦を含めてヒマラヤ山系東部域より東域)では、両大陸間の地中海的特性が失われ、現在の資料だけではその特性はまったく追跡できないことは明らかになっている。その最も大きな原因は、これまで研究ではユ-ラシア要素とゴンドワナ要素がまだ充分に識別できていないことにあり、今後種レベルでの両要素の詳細な検討(主としてコンピュ-タ-による特性の情報処理)結果が、海域区分はもちろん、島孤-海溝系の変遷を研究する基礎資料になる可能性は大きい。事実、今年度、九州中部秩父異帯球磨層群から、典型的なゴンドワナ周辺海域要素を含むパキスタン国リルトレンヂエ部ペルム系のものと同じColaniella属発生初期群集が新たにみつかっており、西南日本外帯に明瞭なゴンドワナ要素のあることがわかり、今秋の日本地質学会で発表し、古生物学会記事に投稿の準備をすすめている。
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[Publications] 沖村雄二: "本邦古生代小型有孔虫化石群と古生物地理" 日本列島の化石有孔虫フォ-ナの起源と古生物地理学的評価. 11-14 (1989)
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[Publications] OKIMURA,Y FATMI,A.N.(Eds): "Tectonics and Sedimentation of the Indo-Eurasian Colliding Plate Bounday Region and its infuluence on the mineraldevelopment in pakistan" Hiroshima Univ Overseas Sci Res. 1-32 (1989)
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[Publications] OHTSUKI,K OKIMURA,Y.etal.: "Breakup of Gonduanaland and Emplacement of Ophiditic conplex in Muslim Bagh Area of Baluchistan Pakiston" Hiroshima Univ Overseas Sci Res. 33-58 (1989)
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[Publications] OKIMURA,Y.: "Notes on the specific determination of genus Tetrotoaxis" Progress in Micropaleontology of Japan. 1. (1990)
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[Publications] YANO,T.: "Late Cenozoic Geohistory in the Novhern Fossa Mogna Region" Jour Sci Hiroshima Univ.,Ser,C,(Geol.Mineral.)vol,9.9. 81-132 (1989)
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[Publications] 矢野孝雄 他: "後期新生代の構造的分類" 地球科学. 43. 443-453 (1989)