1989 Fiscal Year Annual Research Report
本邦キ-スラ-ガ-型鉱床の化学組成の特徴と稀産鉱物
Project/Area Number |
01540659
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加瀬 克雄 岡山大学, 理学部, 助教授 (30033195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅弘 岡山大学, 理学部, 助教授 (60033130)
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Keywords | キ-スラ-ガ-型鉱床 / 日立鉱山 / 別ナ鉱山 / 硫黄同位体比 |
Research Abstract |
1.愛媛県大州市東方の大久喜鉱山の廃鉱石を採集し、研磨片を作製、顕微鏡観察を行った。三波川帯のキ-スラ-ガ-型鉱床では稀産である自然金が認められた。 2.阿武隈変成帯、日立鉱山の狭い鉱床地域で、塩基性火山岩に伴う不動滝鉱床と酸性火山岩に伴う藤見鉱床の化学組成の特徴を明きらかにするための分析試料作製の基礎的なデ-タを得るために、両鉱床の鉱石研磨片の顕微鏡による再検討を行った。不動滝鉱床の鉱石は比較的均質で、鉱石の単純な混合試料を作製すれば良い。藤見鉱床の鉱石は閃亜鉛鉱に富む鉱石と黄銅鉱に富む鉱石に2分され、鉱床の平均組成の推定には、鉱体内における各々の存在量比を求めなければならない。今後鉱業統計資料等を用いて、適当に混合比を求めるつもりである。日立鉱山の鉱石、特に藤見鉱床の鉱石には、黄鉄鉱中の包有鉱物としてBi鉱物がしばしば認められる。三波川帯のキ-スラ-ガ-型鉱床とは鉱石の性質に違いがあるように思われる。 3.奈良県五条、徳島県浅川、高越、高知県名野川、愛媛県大久喜、佐々連、筏津等の鉱床の鉱石試料約50個について、硫黄同位体比の測定を岡山大学地球内部研究センタ-で行った。大部分のデ-タは+0から+7〓の範囲に収まる。既存の別ナ鉱床のデ-タに比較して、四万十帯および御荷鉾帯の鉱床のデ-タは、やや重い硫黄に富む傾向を示している。更に分析数を増して、この傾向を確認するつもりである。なお購入したパ-ソナルコンピュ-タ-は、サンプルおよびデ-タの管理に用いている。 4.X線マイクロアナライザ-による鉱物の分析は平成2年度に集中して行うつもりである。
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