1989 Fiscal Year Annual Research Report
磁界による水素吸蔵用合金の水素吸収・放出反応の制御
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01550008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山口 益弘 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10018046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 信行 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (10017965)
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Keywords | 金属水素化物 / 平衡水素圧力 / 磁界 / 強磁性 |
Research Abstract |
本年度は強磁性金属水素化物のうち、磁化が水素濃度に依存して振動的に変化するY2CDo7について平衡水素圧力の磁界依存性を測定した。 供試料はアルゴン雰囲気中でア-ク溶解によって準備したものを用いた。Y2Co7Hxはその磁化が水素濃度に対して振動的に変化し、さらに単相領域で磁化の変化が大きい。この磁気的特性は磁界中での平衡水素圧の変化に現れる。75℃に厳密にコントロ-ルしたβ相領域の組成の試料について14Tまで段階状に磁界を変化させながら平衡水素圧を測定した。磁界の無いときと磁界中の平衡水素圧の比の対数(LPC)は磁化の組成微分に比例することが分かっている。測定した試料のうち水素組成の高いものは磁界と共にわずかにLPCが増加した後、Oに戻る傾向を示した。低い水素濃度の試料のLPCは磁界と共に減少するが、6T付近で減少が急激に鈍りはじめ12〜14T以上では再びOに戻る傾向を示した。このことから低濃度水素化物について6T付近でメタマグネティズムが起こっていると考えられる。この現象を確認するためには大気圧以上の水素雰囲気下、数十℃の一定温度下での磁化測定が必要である。 来年度は高水素圧力下で動作する磁化測定装置を製作する予定である。これによって広い組成範囲にわたる磁化測定を行い磁気特性と平衡水素圧力の関係を追求する。さらに水素組成に対する磁気モ-メント変化の大きい磁性材料を探究・開発し、わずかな磁界にも敏感に反応する水素-水素化物の系で磁気-機械、磁気-熱エネルギ-相互変換への利用を試みたい。
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[Publications] Isao Yamamoto: "Pressure-Composition Isotherm in a Magnetic Field for the Metal-Hydrogen System" Japanese Journal of Physics. 28. 2629-2630 (1989)
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[Publications] 山口益弘: "強磁性金属水素化物の強磁界中における平衡水素圧" 東北大学金属材料研究所超伝導材料開発施設昭和63年度年次報告. 1. 251-254 (1989)
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[Publications] 山口益弘: "強磁性金属水素化物の平衡水素圧に対する強磁場の効果の研究" 東北大学金属材料研究所超伝導材料開発施設平成元年度年次報告.