1989 Fiscal Year Annual Research Report
強蛍光性アモファス半導体薄膜の光導波路構造反転ラマン散乱分光法の開発
Project/Area Number |
01550009
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
打木 久雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (50142237)
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Keywords | アモルファス半導体 / 光導波路 / 反転ラマン分光法 |
Research Abstract |
1.蛍光の強い物質のラマン散乱スペクトルは、一般に測定が困難とされている。非線形分光法の一つである反転ラマン分光法という原理的に蛍光の妨害を受けない測定法を、薄膜に有利な導波路構造に応用することより、半導体レ-ザ-を光源に用いても測定可能な高感度な薄膜のラマン分光法を開発する事が本研究の目的である。 2.本年度は、交付申請した設備備品をすべて購入し、装置の製作と組み立てを行なった。(1)ラマン励起光として用いる半導体レ-ザ-の出力安定化駆動回路と波長安定化のためのペルチェ素子を用いた温度制御回路を製作した。(2)RFグロ-放電によりガラス基板上に膜厚約1μmのアモルファスC:H薄膜を蒸着し、ガラス・試料薄膜・空気の3層平板型光導波路を作成した。(3)この導波路にルチルプリズム結合器を通して出力20mW、波長780nmの半導体レ-ザ-光(励起光)と300Wのタングステンランプ光(参照光)を導波させた。しかし、これまでのところ結合効率が低く、信号は得られていない。 3.今後の課題としては、(1)信号は励起光強度の2乗に比例するため、特に半導体レ-ザ-光の導波路結合効率を上げる必要がある。(2)アモルファスC:H薄膜の屈折率は約1.8と見積もられているが作成条件や光照射による変化などの依存性は調べられていない。導波路結合角や結合効率を見積もるために試料薄膜の屈折率を正確に評価する必要がある。(3)また、アモルファスC:H薄膜は2光束紫外ビ-ムを照射すれば光誘起回析格子を形成できるため回析格子型結合も検討したい。
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