1989 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ土類酸化物微粒子表面と気体一酸化炭素間の酸素同位体交換機構の研究
Project/Area Number |
01550017
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
藤村 亮一郎 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30031537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 佳子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (20031560)
山辺 信一 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (00109117)
柳沢 保徳 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (90031591)
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Keywords | 酸素同位体交換 / MgO微粒子表面 / 一酸化炭素 / ステップサイト |
Research Abstract |
本研究では超高真空で熱処理したMgO粉末にCO^<16>ガスを吸着させると昇温脱離過程にCO^<16>ガスのピ-クの現れることを発見し、MgO表面と吸着COの間の酸素同位体交換機構について次の諸点を明らかにした。 1.O^<16>-O^<18>の交換はCOの3つの主な脱離ピ-ク温度(約200、400、600K)の何れにおいても起きる。 2.同位体交換率R(=CO^<16>脱離ピ-ク強度のCO^<16>とCO^<18>の脱離ピ-ク強度の和に対する比)は真空熱処理温度とガス露出量に依存する。1170K5時間処理の試料では3000Lまでの露出量(1L=1×10^<-6>Torr.s)では200Kピ-クはR=0.65、400、600Kピ-クはR=0.8〜0.9であり、これ以上の露出量で急速に減少する。970K処理の試料ではR減少は500Lから始まる。この結果は熱処理温度が低いとき交換活性サイト濃度が低いことを示している。透過型電子顕微鏡観察(JEMー100、京都工芸繊維大学)によれば、970K処理粉末はNaCL型構造と回折像を示すが、1220K処理粉末にはひげ構造と強い(111)回折線が現れ、1170K処理粉末では回折像の歪みが見られた。 3.一方非経験的分子軌道法によるモデルクラスタ-計算から、(001)面上点欠陥へのCO吸着エネルギ-は小さく、同位体交換は起こりえないことが判明した。前項の結果は異種構造境界での活性サイト生成を示唆するので、Mg(111)画と0(111)面の<001>方向ステップ境界に酸素空格子点を含めたモデルクラスタ-について計算した結果、交換に必要な吸着エネルギ-と反応経路を推定することができた。 4.以上よりアルカリ土類酸化物表面とCO分子間の酸素同位体交換は次の2過程の連続的な進行によって可能となると結論できる。 (1)上記ステップサイトのような低配位酸素原子と酸素空格子点の組み合わされたサイトでのCO_3型架橋結合中間種の生成。 (2)上の中間種の異性化によるCO酸素の酸素空格子点への取り込み。
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Research Products
(1 results)