1989 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導体を用いた周波数連続可変サブミリ波発信器の研究
Project/Area Number |
01550035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪井 清美 大阪大学, 工学部, 講師 (00029109)
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Keywords | 超伝導発振器 / サブミリ波発振器 / 磁束フロ-型発振器 / 速度マッチングステップ |
Research Abstract |
一方向に長いジョセフソン線路(Nb/AlOx/Nb すなわち 超伝導体/絶縁体/超伝導体 の三層構造)から成る、磁束フロ-型超伝導発振器を、フォトリソグラフィ-の技術を用いて作り、同一基板上に超伝導体の往復線路を作って外部から電流を流し、磁界を発生させ、超伝導線路に横方向から磁界をかけて、絶縁層中に磁束量子(フラクソン)列を作り、超伝導線路にバイアス電流を流して、ロ-レンツカによりこのフラクソン列を一方向に運動させ、線路内の光速に著しい値まで加速すると、線路内で電流波が最大限励振される。 線路内で電磁波が発振していることの確認は、直流電流-電圧特性上に現れる、急峻なスパイク状の速度マッチングステップを観察することにより行った。スパイク状の速度マッチングステップは、磁界の強さを変えるとその位置(電圧)が変化し、磁界を変えることにより周波数を可変に出来ることの確認を行った。 更にこの超伝導発振器は、インピ-ダンスマッチング回路を通して、SIS検出器に接続した構造になっており、発振器からの電磁波出力をこの検出器のより検出した。SIS検出器ではDAT(準粒子)ステップの電圧幅から発振周波数が、またステップの電流値から出力を推定出来る。ステップの電圧幅から得た発振周波数とその時の磁界に対応して速度マッチングステップが立つ電圧から求まる発振周波数が一致し、また、電流値から得た発振出力パワ-は、160GHzで970pW,256GHzで69pW,309GHzで15pWであった。 以上のように、今年度は、同一基板上に発振器、検出器を作成し、基本動作の確認を行った。上記実験はすべて、液体ヘリウム温度(4.2K)で行った。
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