1989 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン共鳴を用いたナウマン象の歯化石の年代測定に関する研究
Project/Area Number |
01550042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鄭 台洙 名古屋大学, 工学部, 教務員 (60109296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 敬行 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40023113)
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Keywords | ナウマン象の歯化石 / 環境放射能 / γ線スペクトロスコピ- / 電子スピン共鳴 / 年間線量率 / 宇宙線 / 貝化石 / 年代測定 |
Research Abstract |
本年度においては、土壌中における自然環境放射線、とくにγ線による放射線量率を精度良く評価することである。歯化石の発見された場所での土壌を採集しよく水洗いした後十分乾燥させ円筒型容器(縦12cm、横(直径10cm)の中に入れγ線スペクトロスコピ-の実験を行なった。上述の幾何学条件と同一の条件下で標準試料のγ線スペクトロスコピ-を測定した。その結果ナウマン象の歯化石が発見された付近の土壌中における^<238>u、^<232>Thおよび^<40>Kの濃度は各々、2ppm、7ppm又4ppmであることが判明した。又これらの値を用いて土壌中における年間線量率(主にγ線によるもの)は約157mrad/yrであった。 計算の結果土壌表面下60cm以下で一定値であることが判明したのでナウマン象の歯化石の発見された場所付近のγ線量率としてこの値を用いることにした。また宇宙線による放射線量率を土壌の表面からの深さの関数として求めた。その結果、表面から1mの深さのところにおいては、約18mrad/yrであることが判明した。従って自然環境中でのγ放射線量率は年間約185mrad/yrとなった。我々は現在愛知県渥美半島赤羽海岸における貝化石を採集し、又その場所での土壌をも採集し、γ線スペクトロスコピ-の測定を行っているところである。
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