1989 Fiscal Year Annual Research Report
「衝突による薄肉断面曲り部材の塑性崩壊に関する研究」
Project/Area Number |
01550067
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 忠晴 東京工業大学, 工学部, 助手 (20184187)
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Keywords | 薄肉断面曲り部材 / 衝突実験 / 衝突式加振台 / 塑性崩壊 / エネルギ吸収特性 / 衝撃荷重 / 加速度計 / 衝撃有限変形解析 |
Research Abstract |
本研究は小型乗用車の基本構造部材であり、衝突エネルギ吸収特性が重要な薄肉断面曲り部材について衝突モデル試験を行うとともに、コンピュ-タシミュレ-ションを行う際のより効率的な数値計算手法を開発することを目的としている。 薄肉曲り部材モデルの衝撃特性を実験的に評価する方法を考察した。まず実験には衝突式加振台を用いて加速用テ-ブルに試験部材を取り付け、これを同じレ-ル上にあるもう一つの減速用テ-ブルに衝突させる。試験部材を取り付けた加速テ-ブルの固定部および減速用テ-ブルの衝突部に荷重変換器を作成し取り付けた。丸棒を試験部材として衝突実験を行い、丸棒のひずみから応力波の伝播を考慮して両端の衝撃荷重を求めて、荷重変換器の出力を校正した。また加速用テ-ブルに取り付けた加速度計の出力にテ-ブルの質量を乗じて得られる荷重について考察した。加速度変動には一般にかなり大きな高周波成分が含まれる。このため荷重変換器および加速度計による荷重変動から加速テ-ブルの伝達関数を求め、周波数特性が一定になる領域の最大値を遮断周波数とする。ロ-パスフィルタ-により波形処理すれば荷重変換器と同様の荷重変動が加速度計により得られた。また加速度を2回時間積分することにより妥当なテ-ブルの変位が得られること確認した。 これらの計測方法に基づいて薄肉断面断面曲り部材の衝撃塑性崩壊特性の予備実験を行った。 また有限変形を考慮した2時元動弾塑性問題解析のための小規模解析用のソフトウェアを開発し、基本的なモデルに対して解析を行い正常に動作することを確認した。このソフトウェアにより薄肉断面曲り部材の衝突問題を解析して実験結果と比較することによりエネルギ吸収能のよい効率的な曲り部材の開発について次年度に考察する。
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