1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550078
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
笠野 英秋 拓殖大学, 工学部, 助教授 (40016663)
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Keywords | CFRP / 積層複合材 / 衝撃損傷 / 界面はく離 / 残存強度 / CAI / 衝撃試験機 / エアガン |
Research Abstract |
本研究はCFRP積層板の耐衝撃特性を積層構成に着目して改善すること、すなわち、一般的に使用される一方向カ-ボンプリプレグシ-トの積層順序、配向および積層数をどのように選択すれば衝撃損傷が最も軽減できるかを実験的に明らかにするとともに理論的に考察することを目的としている。本研究期間は2ヶ年であり、平成元年度はまず前半において本研究遂行上必須の高圧ガス式衝撃試験装置(複合材衝撃試験機)を特別注文によって設計・試作した。本試験機は圧搾空気によって、直径5mmおよび10mmの鋼球を最大速度150m/secで発射させることが可能で、予備試験片による試験機性能のチェックは良好であった。本試験機に関しては操作マニュアルを作成し、今後の実験における利便とした。後半では、積層順序・繊維配向角・積層数を適当に変えたCFRP積層板試験片を作製し、本衝撃試験機を用いて積層板内部に損傷を発生させるとともに、超音波顕微鏡で内部観察を行った。その結果、積層順序と繊維配向角を変えることによって損傷領域のパタ-ンが変化し、隣接する積層板との繊維配向角が小さい程損傷領域の大きさが小さくなる傾向が観察された。現在はこれらの実験結果について物理的観点から考察を加えており、また同時に、できるだけ単純な積層パタ-ンに限定しながらさらに詳細な実験を行っている。平成2年度においては、単純な力学モデルを用いて理論計算を試み、本実験結果と総合しながら、耐衝撃特性に優れた積層構成法を見い出す予定である。
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