1989 Fiscal Year Annual Research Report
音響信号利用による新しい高精度変位及び加工面あらさ測定方法の開発研究
Project/Area Number |
01550089
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
一宮 亮一 新潟大学, 工学部, 教授 (10035595)
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Keywords | 音響周波数 / 変位 / 共鳴 / 加工面あらさ / 精密測定 |
Research Abstract |
小さい寸法のパイプに圧縮空気を吹き付けることによりパイプに音響が発生し、その周波数がパイプ他端の物体の変位とよい対応を示すことを見出し、物体の変位を精密に測定する方法を考案し、実験装置を製作して実験を行った。圧縮空気圧力、パイプの形状と寸法、空気吹付け角度等の使用条件が、変位と音響周波数との関係に及ぼす影響を明らかにすることができた。その結果、適当な使用条件のもとで1μm以下の高精度で変位測定の可能性が明らかとなり、高感度な変位センサとして使用できることも明らかとなった。さらに使用するパイプの内部に内径の段差をつけることによって、変位測定の範囲が広くなり、実用化するのに好ましい形状であることもわかった。 また、パイプの一開口端に圧縮空気を吹き付けたときの空気の流れと発生音との関係を、理論的に明らかにした。すなわち、パイプの内外における音響インピ-ダンスを理論的に解析して理論式を導き、音響が安定して発生する範囲と発生しない範囲とを増幅関数及び帰還関数を用いて明らかにし、周波数を理論式から計算して求め、同一条件で実験したときに得られた発音周波数との対比を行った結果、比較的よく一致することがわかった。 この変位測定方法を応用して加工面あらさを測定する実験装置を製作中であり、あらさ測定に適したパイプ先端の形状について種々実験を行っているところである。また、表面のうねり測定についてもこの方法を用いて行った結果、精密に測定できることが明らかになった。
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[Publications] 一宮亮一: "音響の周波数を利用した変位センサの開発(段差パイプ及びテ-パ段差パイプを用いた場合)" 日本機械学会論文集. 55. 3003-3008 (1989)
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[Publications] 宮下晃一: "管内に発生する音響の周波数利用による変位の精密測定(発音条件がパイプの発音周波数変化に及ぼす影響の実験による解析)" 日本機械学会文集. 55. 2807-2811 (1989)