1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550103
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
高谷 松文 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80083905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 正久 千葉工業大学, 附属研究所, 非常勤教授
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Keywords | 固定砥粒 / 錫ボンド砥石 / 加工変質層 / メカノケミカル研磨 / 表面粒さ |
Research Abstract |
ポリシング機構の研究において、固定砥粒方式による各種材料の研磨の基礎的試料を得るため錫ボンド砥石の製作を行った。砥石のマトリックスとして錫を選定したのは、摩擦抵抗が少なく軟質であることで工作物の損傷を極小に押さえ、化学的活性の研磨液使用の際工具への極端な反応が避けられ、メカノケミカル加工を評価することが容易であることによる。錫ボンド砥石の製作の前例はないので、まず分散めっき法を利用してその電解条件を決定し、直径40mm、厚さ5mm、集中度37、CBN^#3000の砥石を製作した。この砥石による研磨実験において、SKD11材に対し、0.06umRmaxの加工面を得た。砥粒を微細にすればブロックゲ-ジ面の域に達することが可能である。シリコンウエハ加工においては、0.1umRmaxの表面粗さであった。この場合は加工変質層の評価が必要である。次に固定砥粒ポリシング定盤用セグメントを生産性も考慮して成形条件、焼結条件を決定した。この砥石は、砥粒集中度、錫と樹脂の混合比、添加剤により砥石の組織、硬さ、空孔などを調整することで使用目的に応じた砥石を製作することができる。今回は、3種類の砥粒集中度を選択して電着砥石と類似の研磨条件で実験を行った。集中度50〜75の焼結砥石は、電着砥石に比較して3倍程度の加工能率が得られ、特に最初の5分間において著しい差のあることが分った。これらの実験に基いて30×30mm、集中度50、CBN^#3000のセグメントで構成したφ210錫ボンド定盤を製作した。シリコンウエハのメカノケミカル加工を試み、30%水溶性研磨液を基準とすると、酸性コロイダルシリカによる表面粗さは、改善が認められた。また塩酸5%を添加することで加工量は2.5倍向上し、砥石ドレッシングの効果もあった。今後の課題として最良の研磨効果のある研磨液の探索が必要である。
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Research Products
(2 results)