1989 Fiscal Year Annual Research Report
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01550135
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白井 紘行 群馬大学, 工学部, 教授 (00008509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部井 勝稲 群馬大学, 工学部, 助手 (80008466)
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Keywords | 強い衝撃波 / 非平衡プラズマ / 非平衡放射 / 非平衡解離反応速度 / Maecker型プラズマ発生装置 / 空気プラズマ / モアレシュリ-レン法 / 三次元自由噴流 |
Research Abstract |
二年にわたる研究計画の初年度における主な実績は次の4点である。 (1)衝撃マッハ数20以上の強い空気衝撃波において、詳細な反応過程と非平衡反応速度、最新の非平衡放射理論などを適用して非平衡緩和流中の熱的流体的挙動の数値計算を行った。高マッハ数では、酸素の存在と非平衡解離速度の影響で電子温度と電子密度の挙動に時間的乖離が生じ、衝撃波背後の放射強度は非平衡過程による鋭いピ-ク放射を含む大変特徴的な分布を示すことが判明した。マッハ数が30以上では、ピ-ク放射は相対的に弱くなり、従来の予測ほど非平衡放射の寄与度は大きくないことが判った。 (2)高層大気中の飛翔体衝撃層は熱的化学的に非平衡であるが、このような状態では従来の単温度反応速度は適用できない。そこで空気プラズマ流中で重要なO_2、N_2、NOと炭素質アブレ-ション層で重要なC_2の解離に対して、最近提案された有効結合エネルギ-モデルに基づいて解離反応速度と有効解離エネルギ-を計算し、簡単な表式を与えた。また空気プラズマ中の交換反応に対しても同じ反応モデルの適用を試みた。 (3)Maecker型プラズマ発生装置で空気プラズマからの非平衡放射の予備的研究を行った。その結果、本装置では温度6000-10000Kの非平衡空気プラズマが生成されること、また部分的な放射測定と理論的分析から比較的低温度においてはN_2分子のバンド放射が、高温になるとO、Nの放射が卓越すると判明した。 (4)超音速噴流に対してモアレシュリ-レン法を適用して噴流の可視化とその構造の研究を行った。軸対称円形ノズルと正方形ノズルからの自由噴流を対象としたが、とくに後者に対しては筆者等の変換法を適用して3次元的構造まで明らかにすることができた。本方法は複雑な構造の噴流に対して比較的簡単に適用可能であると判った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 白井紘行: "強い空気衝撃波背後の放射" 衝撃工学シンポジウム発表論文集. 122-127 (1989)
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[Publications] 白井紘行: "N_2、O_2、NOおよびC_2の非平衡解離速度" AOTV気体力学シンポジウム発表論文集. 371-380 (1990)
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[Publications] 田部井勝稲: "Temperature and/or Density Measurements of Asymmetrical Flow Fields by Means of the Moire-Schlieren Method" JSME. (1990)
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[Publications] 田部井勝稲: "モアレシュリ-レン法による不足膨張流の密度測定" 日本機械学会論文集.
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[Publications] 白井紘行: "3温度モデルに基づく強い衝撃波背後の放射特性" 日本航空宇宙学会誌.