1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550137
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
亀本 喬司 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30018022)
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Keywords | 計算流体力学 / 離散渦法 / 乱流解析 / 大規模渦構造 / 縦渦構造 / 2次元せん断流れ / 軸対称乱流噴流 |
Research Abstract |
乱流の数値シミュレ-ションは広い分野にわたり重要な課題として近年多数の研究者によって開発的研究がなされ、乱流モデルを用いて運動方程式を解く方法、LES法およびNS方程式の直接解法など、おもに差分法による解析法が試みられてきたが、乱流の本質的特性を工学的レベルで解析可能な状況に至っているとは言いがたい。このような背景のもとに本研究では、これまでに非定常剥離流れの比較的簡便な数値計算法としてその有効性が確かめられていた離散渦法を、差分法に比べて簡便でしかも乱流の渦構造をも表現し得る工学的に有用な乱流解析法として発展させることを目的とし、2次元自由せん断流れおよび軸対称自由噴流を対象に粘性核構造を有する渦系モデルを適用して非定常流れ解析による乱流特性のシミュレ-ションを試みた。 2次元せん断流れの解析においては、2次元的な渦度の層をモデル化する直線的渦系列に3次元の周期的微小外乱を加えることにより、非2次元的な渦度の発生を示すいわゆる縦渦構造の形成をシミュレ-トすることができ、乱流遷移の初期的過程の解析モデルとして本モデルが有効であることが明らかとなった。 軸対称噴流の解析においては、噴出される軸対称渦度層をリング状の渦系列によりモデル化し、さらに渦度粘性核に微細化条件を加えることにより、噴出口近傍における軸対称の大規模渦構造の形成過程、その下流における渦の拡散および合体の過程、乱流の乱れ強さ分布、速度変動成分のスペクトル密度分布などについて、実際の流れと定性的に良く一致する結果が得られた。 以上の結果から、離散渦法が比較的簡便に乱流の諸特性をシミュレ-トする計算法として有効であることが明らかとなり、さらに定量的にも優れた解析法としての発展が大いに期待できることが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kyoji Kamemoto: "Numerical Simulation of Vortexl-formation Processes near the Bottom of Underfolw Gates" A Collection of Technical Papers of ISCFD 1989,NAGOYA. 717-722 (1989)
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[Publications] 楠正統: "軸対称噴流の非定常特性に関する数値シミュレ-ション" 第3回数値流体力学シンポジウム論文集. 225-228 (1989)
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[Publications] 中西裕二: "渦法による三次元物体まわりの流れの試験的解析" 日本機械学会第67期通常総会講演会講演論文集. B. 138-140 (1990)