1989 Fiscal Year Annual Research Report
電場による液体内温度境界層近傍のみの乱流化効果に対する最適化と熱伝達制御の研究
Project/Area Number |
01550164
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
成合 英樹 筑波大学, 構造工学系, 教授 (70134210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 博 筑波大学, 構造工学系, 講師 (30176177)
矢部 彰 通産省, 工技院機械技術研究所, 主任研究官
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Keywords | EHD効果 / 強制対流熱伝達 / 電場付与 / 伝熱促進 / 圧力損失 / 流れの攪乱 / 速度変動強度 / ブロンソルブ |
Research Abstract |
熱交換器において、圧力損失の増加を最小限に抑え熱伝達を大巾に増大させる方法として、電場により境界層近傍のみの能動的な乱流化効果をはかる方法を考案し実験を行った。すなわち壁面近傍に流れと平行に細線電極を設置し、これと壁面間に高電圧を印加し、流量、印加電圧を変化させた場合の熱伝達率を測定すると共に、平均速度、変動速度、圧力損失などを測定し、流動特性に基づいて伝熱特性を考察した。作動流体としてはフロンR113とエタノ-ルの混合液体を用い、高さ20mm、巾150mm、長さ1.6mの透明塩化ビニル製矩形流路の上下面にステンレス箔を接着し交流通電加熱を行った。上下壁面から距離5mm流路巾方向に20mm間隔で流れと平行方向に計14本のステンレス線を設置し伝熱面との間に高電圧(0〜10KV)を印加した。流量は層流から乱流までのRe=1470〜27300の範囲で、熱電対による温度計測と共に、圧力差の計測、He-Neレ-ザ-による時間平均速度、変動速度の計測も行った。平均熱伝達率は、電場の印加電圧が0の場合Reの増加に対して単調に増大する。印加電圧を増大すると熱伝達率は増加するが、増加割合はReの小さな層流域の方が大きい。本実験範囲では印加電圧0の時に対する熱伝達率の増加率は、Re=1470、印加電圧5KVの時の約20倍が最大であった。次に、流れ方向速度の時間平均値と速度変動強度を調べた。電圧印加により変動強度は増大し、それに伴い平均速度分布は平坦化している。従って、伝熱促進機構は、誘起される2次流れとその速度変動による拡散作用の増大のためとみなすことができた。圧力損失は、印加電圧が高く、Re数が大きい程増大した。しかし、熱伝達率の増加割合は抵抗係数のそれより大きく、電場付与が有効であることを確認した。これらのデ-タをもとに最適化の検討を行うと共に乱流発生モデルの検討をさらに今後行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石黒博: "EHD効果を用いた壁面近傍の乱れの攪乱による管内強制対流熱伝達の促進" 第27回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (1990)
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[Publications] H.Ishiguro: "Augmentation of Forced-Convection Heat Transfer by Applying Electric Fields to Disturb Flow near a Wall" Proceedings of ASME-JSME Thermal Engineering Joint Conference. (1991)