1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550172
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中山 顕 静岡大学, 工学部, 助教授 (60155877)
|
Keywords | 多孔質体 / ダルシ-流 / 非ダルシ-流 / 流水の可視化 / 非定常流 / 差分法 / カルマン渦 / 角柱 |
Research Abstract |
本年度においては,まず流体層と多孔質層との界面近傍の非定常流れに注目した。数種の透過率を有するスポンジ製の角柱を風調内の一様気流中に置き,背圧分布,抗力係数,ストロ-ハル数に関する詳細な測定を行った。あわせて油膜法,流動パラフィンミスト法,スモ-クワイヤ法を用い,可視化した非定常流動場を写真撮影およびVTR撮影した。また同時にVafaiーTienの式を用いた圧力補正法に基づく数値解析を行い,実験結果との比較・検討を行った。その結果,スポンジ角柱の直後には多孔質体を透過する流れが順流域を形成し,その下流に循環流域が追いやられる;角柱後方で検出されるストロ-ハル数はレイノルズ数やダルシ-数に依存しない;レイノルズ数の増加と共に順流域が伸長し,循環流領域が後退する;多孔質体角柱の抗力係数は,透過流が下流へ運動量を輸送することから,ダルシ-数の増加に伴い低下する;等の結論を得た。 次に非定常流れの今一つのモデルとして,多孔質体コラムを下降する過渡流れを取り上げ,実験および理論の両面より検討を行った.水位を一定に保った水槽をガラス玉を充填した流路でつなぎ,下端に電磁バルブを設けた。流路内にタングステン線を張り電磁バルブのスイッチと同期させ電流を流すことで水素気泡を発生させ,その時間経過を高速度カメラで撮影した。撮影したフィルムをフィルムモ-ションアナライザで解析し時々刻々と変化する降下速度を算出した。理論においては,非定常・非ダルシ-一次元流モデルを提案し,実験結果との比較・検討を行い,多孔質体慣性効果は流れを減速させると共に,定常値に達っする時間を短縮する方向に働らく;その時定数は水頭に無関係で透過率により支配される;透過率が増加するにつれ,多孔質体慣性効果が顕著となる;等の有益な知見を得た。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] A.Nakayama: "Transient nonーDarcy forced convective heat transfer from a flat plate embedded in a fluidーsaturated porous medium" International Journal of Heat and Fluid Flow. 11. 249-253 (1990)
-
[Publications] 金田 匡規: "多孔質体内の非定常流れおよび熱伝達" 日本機械学会東海学生会第22回学生員卒業研究発表講演会講演前刷集. 43-44 (1991)
-
[Publications] 桑原 不二朗: "多孔質角柱後方の流れ" 第28回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (1991)