1990 Fiscal Year Annual Research Report
自動車用小形過給器を利用した強制給気形バルブレスパルス燃焼器の性能
Project/Area Number |
01550173
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大岩 紀生 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00023341)
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Keywords | バルブレスパルス燃焼器 / コ・ジェネレ-ションシステム / 加圧振動燃焼 / タ-ボチャ-ジャ / 強制点火燃焼 |
Research Abstract |
本年度(最終年度)の研究では、(1)強制通風のための送風機容量の増加と(2)過給器の効果的駆動のための加圧燃焼を達成するために空気供給源にエア-ドライヤ付圧縮機を導入し、過給器援用バルブレスパルス燃焼器の総合的な性能評価と、ガスタ-ビンとバルブレスパルス燃焼器を組合せた高熱効率のコ・ジェネレ-ションシステム実現の可能性の検討を行なった。主な研究成果は以下のようである。 (1)本研究の加圧形バルブレスパルス燃焼システムに、インバ-タによる可変周波数スパ-クイグナイタを常用して外部強制点火方式を採用すれば、空気供給圧力の増加と共に、通常のパルス燃焼からイグナイタの放電周波数に依存した外部点火形間欠燃焼に遷移する。この後者の燃焼形態(制御点火形パルス燃焼と呼ぶ)への遷移により、(a)燃焼器内平均圧力の著しい増大(通常のパルス燃焼の3〜4倍)と、(b)燃焼器内変動圧力の全幅の飛躍的増大(同7〜8倍)が得られ、結果として(c)効果的な圧力上昇と飛躍的な過給器性能の向上が達成された。 (2)制御点火形パルス燃焼では、スパ-ク周波数に等しい周波数はもちろんのこと、1/2、1/3、1/4などの分調周波数の発振も得られ、1/2あるいは1/3の発振条件のときに、最高の過給器駆動性と排気ガス性能が得られる。これにより、直接、点火に関与しないスパ-クが次サイクルの燃焼改善に重要な役割を果たしていることが伺われ、実際の燃焼システムに積極的に利用すべきであることが明らかとなった。 以上の結果は、入手の容易な自動車用小形過給器を用いて得られたものであり、決して最適の組合わせ条件下の結果ではない。したがって、与えられた容量のバルブレスパルス燃焼器に最適の諸元をもつ過給器が得られたならば、さらに性能改善が可能であると考えられ、本システムの実現の可能性は十分に高いと結論できる。
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