1990 Fiscal Year Annual Research Report
剛体スワ-ル中の遠心力場における火炎挙動に関する光学的研究
Project/Area Number |
01550180
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 信輔 九州大学, 工学部, 教授 (80037738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 英昭 九州大学, 工学部, 助手 (30037915)
花田 邦彦 九州大学, 工学部, 助手 (30037874)
村瀬 英一 九州大学, 工学部, 助教授 (60150504)
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Keywords | 遠心力 / 遠心加速度 / スワ-ル / 消炎 / 火炎伝播 / 火炎伝播限界 / ルイス数 / 対流 |
Research Abstract |
スワ-ル中の火炎挙動は、壁面摩擦によるせん断流れの乱流場で観測することになるため、遠心加速度の作用する回転流れ場の影響だけを分離して調べることが困難である。本研究では、容器を回転させることにより層流剛体渦を作って、火炎挙動に及ぼす影響を検討した。偏心位置で点火した火炎は、密度差による対流運動のため中心部に移動して全体に伝播することになり、その後の火炎伝播が遅れることになる。今年度は、この火炎移動の挙動を明らかにすると同時に中心から発達する火炎挙動についてその減速機構について検討した。対流運動による火炎の挙動は火炎伝播に伴う2次流れの発生で複雑なものとなるが、スワ-ルが強い程火炎の移動が速くなり以後の伝播の抑制作用が大きいことが分かった。しかしながら点火部に保炎作用をもたせることができれば初期火炎域拡大効果によって火炎発達の促進が可能となることを明らかにした。中心部から伝播する火炎は回転速度の大きさに従って減速あるいは消炎に至ることが観測されるが、これは既燃ガス膨張による火炎面境界での非定常的周方向速度変化あるいは非定常的圧力匂配の変化による物質移動の変化などによるじょう乱が主原因と考えられ、その影響を受け易い火炎について実験を行った。CH4及びC3H8の混合気ではそれぞれ希薄側、過濃側で消炎し、逆の濃度側では減速のみ観察された。消炎濃度側はLe(ルイス数)<1の領域であるが予熱域厚さηοが逆濃度側に比べかなり大きい。Le,ηοの影響の大きさを調べるため、空気中のN2をAr、Heにおき替える人工空気を用いてLe>1でしかもηοの大きい混合気による実験を行い、消炎発生を確認した。また同じηοであればLeが小さい方が火炎面に対する擾乱の影響が大きくなることが分かった。今後はLe、ηοの影響を系統的に調査すると同時に、火炎発生による非定常的な流動場の影響も検討し研究計画を進めて行きたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 村瀬 英一 他3名: "Plasma Jet in Turbulent Lean Mixture" SAE Trans.98. 183-193 (1990)
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[Publications] 小野 信輔 他4名: "ハニカム形触媒による希薄混合気の燃焼特性" 九州大学総合理工研究科報告. 12. 207-213 (1990)
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[Publications] 小野 信輔 他5名: "回転流れ場における予混合火炎の挙動" 九大工学集報. 63. 687-694 (1990)
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[Publications] 小野 信輔 他5名: "プラズマジェットの拡がりと点火特性" 自動車技術会秋季学術講演会. 902. 201-204 (1990)
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[Publications] 小野 信輔 他5名: "遠心加速度場における予混合気の火炎伝播限界" 第28回燃焼シンポジウム. 46-48 (1990)