1989 Fiscal Year Annual Research Report
ロバストな非線形制御系の設計とロボット多リンク機構制御への応用
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01550195
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大久保 重範 山形大学, 工学部, 助教授 (60134467)
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Keywords | ロボットマニピュレ-タ / 非線形補償 / ロバスト制御 / 安定性 / パラメ-タ誤差 / 積分不等式 / 閉ル-プ / 極配置法 |
Research Abstract |
本年度は平面多リンクロボットマニピュレ-タの制御方式について研究を行った。システムのパラメ-タには真値と実際値があり、制御系を設計するには実際値を使って行わなければならない。真値と実数値との間には誤差が存在するから、その誤差が系の出力誤差や不安定の原因になりうる。制御系はパラメ-タ誤差が存在していても安定性が保持され、かつ出力誤差がゼロに収束するように設計しなければならない。このような制御法をロバスト制御という。本研究ではロボットマニピュレ-タに対するロバスト制御の設計法の開発を行った。制御設計法は2つの段階からなる。第1段階は非線形補償を行うことである。制御入力によりできるだけ真値に近いパラメ-タを使い、系の非線形項を消去するようにする。非線形補償を施した系は線形系と誤差にともなう弱い非線形項の存在する系になる。第2段階は弱非線形系に対してモデル追従形制御の方式を使い、線形系の極配置を行う。第2段階での線形伝達関数は分子が定数になり、分母の極は任意の安定度に配置することが可能である。この性質はロボット特有のものであり、ロバスト安定な系を設計するのに便利である。つぎに必要になるのは設計した系のロバスト性がどの程度か又線形系の極配置の大きさとどのような関係があるかを調べることである。本研究では閉ル-プ系の状態方程式を解き、ノルム評価によって積分方程式を導出する。その積分不等式をリヤプノフ関数を使って解くことによって解の安定性の十分条件を求めることができる。さらに定常状態における出力誤差は線形伝達関数を使うことによって近似的に求めることができ、特性根がすべて-αである場合α^2に反比例する。このことは安定限界以内であれば、特性根-αのαをできるだけ大きくすることによって定常誤差を小さくすることができることを意味する。本設計の有効性を示すため多くのシミュレ-ションを実施した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大久保重範: "A Design of Nonlinear MRACS and the Proof of Stability" Proc.of IFAC Sympo.on Adaptive System in Control and Signal Processing,Glasgow,UK. 2. 525-530 (1989)
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[Publications] 大久保重範: "大域的に安定な多入出力非線形系のMRACS" 計測自動制御学会論文集. 26-1. 46-53 (1990)
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[Publications] 大久保重範: "Robust Control of Multi-Link Robot Manipulators Based on Model Following Control Method" Proc.of First International Symposium on Measurement and Control in Robotics,Houston,USA. 1. 1-7 (1990)