1990 Fiscal Year Annual Research Report
受動型と能動型を併用した弾性ロ-タ用ハイブリッド磁気軸受の研究
Project/Area Number |
01550197
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野波 健蔵 千葉大学, 工学部, 助教授 (30143259)
|
Keywords | 磁気軸受 / 弾性ロ-タ / 永久磁石 / 電磁石 / ゼロパワ-方式 |
Research Abstract |
今日まで磁気軸受に関する研究は多くなされているが,適用分野が宇宙機器など特殊な分野であったためロ-タは小型軽量で剛本と仮定できるものであった。しかし、磁気軸受の需要は今日一般産業用機器に広がりつつあり大型弾性ロ-タが対象となっている。ここで問題となるのは,第一に,大型重量ロ-タをいかに効率よく支持するか。第2に,複数の弾性曲げモ-ドをいかに効率よく制御するかということである。すなわち,最小のエネルギ-でロ-タを支持し,最小のエネルギで弾性モ-ドを制御する弾性ロ-タ磁気軸受系の最適設計・制御実現の課題である。 本研究は以上の問題意識に基ずいて,最大限の受動型磁気軸受の利用と,最小限の能動型磁気軸受を用いる両者併用型の弾性ロ-タ用ハイブリッド磁気軸受の研究を行った。 まず,初年度は5軸制御型磁気軸受のうちスラスト磁気軸受を反発型永久磁石で置き換え,このときのスラスト磁気受特性とこれが能動型ラジアル磁気軸受に与える影響をばね特性,減衰特性として考察した。これから,ばね特性はギャップの2乗に反比例する。減衰特性はラジアル軸受のうず電流による減衰特性として発生し,スラスト磁気軸受のギャップに比例しないで,ある程度ギャップが小さくなると飽和することなどが明らかとなった。これを基に当該年度は次の実績を得た。 次に,二年目(最終年度)はラジアル磁気軸受を永久に磁石と電磁石によるハイブリッドゼロパワ-方式磁気軸受として実現した。ただし,時間的制約と予算的制約により一軸制御方式のみについて実現した。これは,ロ-タ自重に相当する重量はすべて永久磁石の吸引力で支持してしまうため従来のバイアス電流が不必要となり、わずかの制御電流のみによって安定に平衡点を維持することができることが明らかとなり,今後の回転試験機製作の基礎とすることができた。
|
-
[Publications] 野波 健蔵,打田 忠: "受動型と能動型の磁気軸受を用いた軸受動特性" 「振動と運動の制御」シンポジウム講演論文集. 334-337 (1990)
-
[Publications] 野波 健蔵: "ゼロパワ-ハイブリッド磁気軸受に関する研究"