1989 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットの作業における近接覚情報の解析とその応用に関する研究
Project/Area Number |
01550198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 健 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (40178645)
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Keywords | ロボット / 近接センサ |
Research Abstract |
本研究の目的はロボットが作業対象物体に接近した状態において、ロボットハンドと作業対象物体との空間的な位置関係を近接センサを用いて検出する手法を明らかにすることである。本研究では近接センサとして特に超音波センサを取り上げ、複数のセンサの利用により対象物体表面の位置姿勢検出問題を扱う。本年度の研究の成果を以下にまとめる。 1.複数音源の位置同定による表面形状の識別法の開発:複数の受波器を用いると音波の伝播時間から音源の空間的な位置を検出することができる。対象物の表面が平面の場合は音源の位置は鏡と同じように鏡像に相当する位置に検出される。複数の音源を用いれば音源の位置が空間的な鏡像として検出される。しかし、対象物表面が円筒面のように棒状であったり、穴や突起のように点状の場合は反射による音波の行路長が異なり、音波の伝播時間から計算される音源の位置は平面の場合と異なる。この性質を利用すると複数音源の鏡像のパタ-ンから反射面形状を識別することができることを理論的に示した。 2.複数の超音波センサの試作:直径36mmの平面内に直径10mmの超音波センサを7個(4個は送受兼用、3個は受波専用)を配置したセンサアレイを試作した。周波数は60kHzであり、距離分解能は0.1mmである。送受兼用のセンサを音源として用い、センサの前に置いた対象物表面から得られる反射から計算される音源の位置がほぼ前述の理論どおりに得られることを確かめた。検出範囲は50〜200mmであった。 3.ロボットによる認識実験:本研究で購入した設備であるロボットにセンサを取り付け、ロボットが対象物体に接近した状態で、表面の平らな部分(平面)と穴や突起を識別し、かつその空間的な位置を検出できることを確認した。
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