1989 Fiscal Year Annual Research Report
PbSrS及びPbEuS混晶半導体を用いた3μm室温動作レ-ザ-の研究
Project/Area Number |
01550241
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石田 明弘 静岡大学, 工学部, 助教授 (70183738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤安 洋 静岡大学, 工学部, 教授 (60022232)
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Keywords | IV-VI族半導体 / レ-ザ / 超格子 / 量子井戸 / 赤外線 |
Research Abstract |
PbSrS/PbSストライプコンタクトDHレ-ザを作製し、パルス動作で245K(2.97μm)、連続動作で174Kまでのレ-ザ動作に成功した。この動作の温度はこれまで報告のあるPbCdSSe/PbSDHレ-ザ(200Kパルス、3.3μm)より50K程度高く、PbSrS混晶のレ-ザ材料としての有用性を示した。また、PbSrS/PbS超格子の作製を行ない、光学特性及びX線回折により超格子構造を評価した。Srの拡散はEuに比べて大きいこと、従来より50℃低い250℃程度の基板温度で超格子の作製を行なう必要があることがわかった。さらにDHレ-ザと多重量子井戸レ-ザの利得計算を行ない、多重量子井戸の周期を200Å以下に小さくし、サブバンド間のエネルギ-間隔をRTに比べ大きくすれば、注入キャリア濃度に対する利得とその増加率がともに大きくなることがわかった。このことは光とキャリアを別々に閉じ込めるSCHレ-ザの活性層に多重量子井戸構造を用いれば、電流しきい値をたいへん有効に下げ得ることを示しており、動作温度の高温動作化にとっても有効に働く可能性があることがわかった。しかし、長波長レ-ザの動作温度にはオ-ジェ再結合が支配的に働き、今後量子井戸構造のオ-ジェ再結合確率へ与える影響についても研究する必要がある。 補助真空室を持ち、真空を破らずに試料の交換のできる真空装置を導入し、PbSrS薄膜の作製研究を行なった。水蒸気によるSrソ-ス表面の劣化が抑えられ組成の再現性が大きく改善された。 また、PbS単結晶成長と不純物添加、基板表面の処理方法やストライプ構造の作製法についても研究を行ない、p、n両タイプの低抵抗基板結晶の成長も行なえるよになり、ストライプコンタクト構造についても大幅に改善された。
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[Publications] Akihiro Ishida: "Pb_<1-x>Sr_xS/PbSdouble-heterostructure lesers prepared by hot-wall epitaxy" Applied physics Letters. 55. 430-431 (1989)
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[Publications] Akihiro Ishida: "Laser applications of Pb_<1-x>Sr_xS films prepared by hot wall epitaxy" Semiconductor Science and Technology. (1990)
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[Publications] 石田明弘: "IV-VI族長波長半導体レ-ザ" 電子情報通信学会論文誌(C-I). (1990)