1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550254
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山村 泰道 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10068900)
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Keywords | モンテカルロシミュレ-ション / 二体間衝突近似 / クラスタ-イオン / クラスタ-イオン蒸着 / クラスタ-衝撃核融合 / 時間発展的シミュレ-ション / 多体効果 / エネルギ-分布 |
Research Abstract |
現在,クラスタ-イオンと固体との相互作用をシミュレイトできる方法は分子動力学的手法と著者の開発しつつあるDYACAT,DYACOCTコ-ドのみである。当該年度で特に改良された点は 低エネルギ-粒子の散乱に際して問題となる多体効果をより精度よく考慮できるようした事である。すなわち、散乱ごとに衝突半径を計算し、その中に含まれる数個の粒子に対して分子動力学的に数値計算する手法を採用する。このことにより、低エネルギ-クラスタ-イオン(原子あたり数ev)から比較的エネルギ-の高いクラスタ-イオン(原子あたり数にev)まで、無理なく計算が可能になった。 クラスタ-イオン照射と単原子イオン照射における根本的な違いは、クラスタ-を構成する原子同志の衝突や下部の原子と標的原子との衝突に基づく相乗効果である。計算の結果、低エネルギ-の場合には多体効果のため、表面近傍に高密度領域が形成され、加速電圧が効率よく表面移動エネルギ-に変換される。一方、比較的高エネルギ-の場合には、露払い効果と加速効果がある事が判明した、露払い効果とは、クラスタ-を構成する原子の質量(M_1)が標的原子の質量(M_2)より大きい場合に顕著で、加速効果はその逆の場合に重要となる。加速効果を検証するため、1KeV/原子の(Al)_<500>を金のタ-ゲットに照射した計算を行った結果0.1psecの後には2〜3KeVのエネルギ-をもつAl原子が存在し、エネルギ-分布は巾の広い型をもった。この事はクラスタ-衝撃核融合に関する重要な知見を与えたものとして評価できる。
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[Publications] Y.Yamamura: "TimeーDependent Angular Distributions of Sputtered Particles from Amorphous Targets" Nucl.Instr.Meth.B45. 582-585 (1990)
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[Publications] Y.Yamamura: "Computer Simulation of lonized Cluster Beam Bombardment on Carbon Substrate" Nucl.Instr.Meth.B45. 707-713 (1990)
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[Publications] Y.Yamamura: "Dynamical Simulation of Cascade Damages in Cu,Ag and Au Metals" Nucl.lnstr.Meth.B51. 407-416 (1990)
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[Publications] Y.Yamamura: "Computer Studies of Interactions of lonized Cluster Beam with Solids" Proc.13th Symp.Ion Sources and lonーAssisted Technol.ed.T.Takagi. 27-32 (1990)
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[Publications] Y.Yamamura: "Energy and Angular Distributions of Sputtered Atoms at Normal Incidence" Radiat.Eff.and Deffects in Solids.
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[Publications] Y.Yamamura: "Energy Spectrum of Constituent Atoms in Cluster Bombarded onto Solids" Nucl.lnstr.Meth.