1990 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波ハイパ-サ-ミアにおける人体内温度分布の解析
Project/Area Number |
01550265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 長吉 大阪大学, 工学部, 助教授 (40029137)
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Keywords | ハイパ-サ-ミア / 電磁加温 / 導波器アプリケ-タ / 人体内電力損分布 / 人体内温度分布 / 深部癌加温 / FDーTD解析 |
Research Abstract |
筆者は,ハイパ-サ-ミアによる深部癌治療は,将来的には導波管型アプリケ-タを人体周囲に複数個配置したマルチアプリケ-タシステムを加温装置として用いる方向に向かうべきであり,また,この方式を真に有効に働かせるには,現実のどのように複雑な人体形状に対しても常に精密かつ素早く人体内温度分布を解析・予測できる優れたソフトを用意すべきであると考えている。本研究課題による研究もこの方向で進めているが,本年度の研究成果は次のとおりである. 1.導波管アプリケ-タと人体を含む全系に対する電磁界を,導波管内の励振機構も含めて精密に3次元解析できるような差分時間領域法(FiniteーDifference TimeーDomain method簡単にFDーTD法)をほぼ完成させた.とくに計算機容量と計算時間を大幅に節約できるよう計算対象人体領域を有限範囲にとどめる方法,および励振機構をFDーTD解析が可能なようにモデル化する方法を工夫した点が大きな成果である. 2.深部癌治療ハイパ-サ-ミアにおいてその使用が不可欠な冷却用水充填ボ-ラス(嚢)の加温特性に与える影響を詳しく調べた.その結果,人体に接する方向にボ-ラス幅が広いほど電力損分布の横方向の収束性が悪くなる傾向があること,これは電磁波の偏波方向と密接に関係していること,奥行き方向についてはボ-ラスの横幅が狭いとき少し広がる傾向があること,等が定量的に明かになった. 3.電磁界の精密解析で得られた電力損分布を熱源分布とした熱伝導方程式を,差分化したあと陰交互方向法(Implicit Alternating Direction method)によって数値解析し,人体内の温度分布の時間変化を求める方法の基本手順を完全させた.
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