1990 Fiscal Year Annual Research Report
プロセス指向に基づく柔構造プログラミングに関する研究
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01550274
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮本 衛市 北海道大学, 工学部, 教授 (00001173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 和史 北海道大学, 工学部, 助手 (70190676)
渡辺 慎哉 北海道大学, 工学部, 助手 (70210903)
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Keywords | オブジェクト指向 / プログラミング環境 / 分散システム / 並行オブジェクト / オブジェクト型 / メ-セッジ順序 / 開放型システム / ユ-ザインタフェ-ス |
Research Abstract |
計算機がネットワ-クで結合された分散環境下で、多数のプログラマが並行して共通のソフトウェアを作成・共有するソフトウェア環境が今後ますます展開されていくであろう。われわれはこのようなシステムを並列オブジェクトの概念で統一することで、本来動的な振舞いをするプログラミングのプロセスを柔軟に、すなわち動的に扱うことが容易になるし、かつ空間的にも分散したシステムを高度に統合することも可能になるものと考えている。このような観点にたって進めてきた研究の成果をまとめると次のようになる。 1.メッセ-ジの処理順序に半順序関係を前提とした、メッセ-ジの到着順序の制御機構モデルを提案し、その枠組に基づきメッセ-ジ群に到着順を構造的に宣言する並列オブジェクト指向計算モデルを開発した。 2.分散環境は空間的にも、また時間的にも絶えず変化している開放的な世界と考えるべきである。そのときの最大の問題は、オブジェクトが環境内でユニ-クに存在することが仮定できないことであり、資源につけられた名前に衝突が発生することである。そのため、資源をユニ-クに掌握できる小世界をドメインと呼び、ドメイン間のインタフェ-スとなるポ-トを介してオブジェクトを認識し、メッセ-ジを伝搬する開放分散モデルを開発した。 3.これまでの並列オブジェクト指向計算モデルでは、オブジェクト間の相互作用ともいうべき通信形態に研究の主眼が置かれてきた。しかし、オブジェクトの記述能力をあげるためには、オブジェクト自身の機構はきわめて重要であり、そのためレベルに応じてオブジェクトの記述を行うメタレベル計算モデルの開発を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shinーya Watanabe: "Kamui 88:A Parallel Computation Model with Fields and Events" Advances in Software Science and Technology. 2. 153-175 (1990)
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[Publications] Shinーya Watanabe: "Cooperative Distributed Objects Based on Arrival Order Preservation" Proc.TOOLS Pacific‘90. 325-332 (1990)
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[Publications] 渡辺 慎哉: "メッセ-ジ到着順序制御機能を導入した並列オブジェクト指向モデル" 北海道大学工学部研究報告. 151. 47-58 (1990)
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[Publications] 繁田 良則: "メタレベル計算の機構を導入した並列オブジェクト指向計算モデル" 北海道大学工学部研究報告. 151. 59-68 (1990)
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[Publications] 原田 康徳: "オブジェクト指向による統合型分散プログラミング環境" 北海道大学工学部研究報告. 151. 69-80 (1990)