1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550280
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中森 眞理雄 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00111633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 俊亮 東京農工大学, 工学部, 教授 (00203480)
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Keywords | アルゴリズム / デ-タ構造 / 組合せ的問題 / グラフ処理システム / アルゴリズム・ベ-ス / ドットマトリクスの回転 / グラフアルゴリズム / グラフ処理言語 |
Research Abstract |
よく知られたアルゴリズムを知識ベ-スに蓄え、組合せ的問題(グラフ理論、ネットワ-ク・フロ-理論、電気回路理論など)の新しいアルゴリズムを考案する助けとなるような手法を開発することを最終の目的として研究を進めた。本年度の成果は次の通りである。 1.グラフを表現する標準的なデ-タ構造、グラフの変形や探索など基本的処理をするコマンド、グラフ理論の代表的な問題のプログラム、などを提供し、グラフを扱うプログラムの開発を支援してくれる環境を構築することを目標として、プロトタイプを試作した。この研究をプロジェクトGと名づけ、その成果を情報処理学会アルゴリズム研究会で講演発表した。 2.大きさがn×nのドットマトリクスが1語nビットの計算機の連続するn語に格納されているとして、このドットマトリクスを回転したり左右/上下/斜めに裏返したりする8種類の算法を考察した。周知のとおり、それらの算法は群をなす。本研究では、共通の統一的な算法の記述を提示し、この統一的算法において一部の定数を指定することにより前記の8種類の算法がすべて導かれることを示した。さらに、前記の算法が定数の簡単な書換え規則により互いに移り変わることを示し、これらの書換え規則が群をなすことを示した。ドットマトリクスに関する前記の算法は一意的ではなく、同一の効果をもたらす算法に複数通りの記述が可能である。したがって、前記の8種類の算法には変種が考えられ、これに対応して書換え規則の群にも変種が考えられる。本研究では書換え規則のこれら2種類の群きうち、一方は算法の群と同型であり、他方は算法の群と同型でないことを示した。この成果を電子情報通信学会論文誌に発表した。
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[Publications] 中森眞理雄: "ドットマトリクスの回転等に関する算法に対する書換え規則のなす群について" 電子情報通信学会論文誌. J73-A. 95-102 (1990)
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[Publications] 中森眞理雄: "ドットマトリクスの回転等に関するアルゴリズムに対する変換群" 電子情報通信学会論文誌. J72-A. 1445-1448 (1989)
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[Publications] 中森眞理雄: "2次元閉曲面内の複体の位相的性質を調べる算法とデ-タ構造" 電子情報通信学会論文誌. J72-A. 1367-1370 (1989)
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[Publications] 中森眞理雄: "変動式多重指数分割による数値表現方式" 電子情報通信学会論文誌. J72-A. 1009-1011 (1989)