1989 Fiscal Year Annual Research Report
実行時並列化によるノイマンコンピュ-タの高速化に関する研究
Project/Area Number |
01550283
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
曾和 将容 名古屋工業大学, 工学部電気情報工学科, 教授 (00008567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 隆也 名古屋工業大学, 工学部電気情報工学科, 助手 (40202759)
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Keywords | ノイマンコンピュ-タ / ス-パスカラコンピュ-タ / デカップルドコンピュ-タ / VLIW / 並列処理 / コンピュ-タア-キテクチャ |
Research Abstract |
今年度の研究によって得られたものは次のとおりである。PNプログラムはプログラムの基本ブロックと基本ブロックとのリンクにより成り立っている。基本ブロックとは分岐関連命令を含まないプログラムブロックのことである。基本ブロックは通常その最後に条件分岐命令が入るので、これらを何段階も飛び越えて効率よくリンクすることはかなり複雑になることが明らかになった。しかしながら、ほとんどのプログラムは一段階のリンクで済ますことができると考えられるので、この深さを1と考えてPNコンピュ-タのハ-ドウェアを構成した。また、PNコンピュ-タは計算命令流、転送命令流、分岐命令流の3個の処理の流れが並列に流れる並列計算機になっているが、条件分岐の条件設定とそれぞれの流れの分岐の実行を分岐命令流のみで行うのがよいか、それぞれの流れの中で行うのがよいかが不明であった。これに関して研究を続けた結果、これらは実行する問題の種類によってその実行効率が違うので、簡単に結論が出せないことがあきらかになり、そのため、問題の種類に関係の薄い新分岐方式を提案した。命令体系については、根本的に変更が必要な命令は見つからず、小変更の必要性があるもののほぼ現在の命令体系で十分であることが明らかになった。メモリやレジスタの競合やマルチボ-ドの度合については、現構成よりも簡単にすることが出来ることが明らかになった。しかしながら、PNコンピュ-タを本当に実用的なより高速なコンピュ-タにするためには、パイプライン処理やキャッシュメモリの導入が不可欠のことと思われる。これらの研究は今後の課題である。
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[Publications] 曾和将容: "機能分割型プロセッサによる複数命令流実行方式" 電子情報通信学会論文誌DーII.
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[Publications] 有田隆也: "PNプロセッサにおけるフロ-制御方式について" 情報処理学会平成元年全国大会. (1989)
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[Publications] 高木浩光: "PNコンピュ-タに向いた命令セットア-キテクチャ" 電子情報通信学会電子計算機システム研究会論文集. CPSY89ー8. 17-23 (1989)