1989 Fiscal Year Annual Research Report
弾性表面波デバイスの高性能化に伴う高度設計技術の開発
Project/Area Number |
01550297
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小柴 正則 北海道大学, 工学部, 教授 (40101521)
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Keywords | 弾性表面波 / 弾性表面波すだれ状電極 / 弾性表面波反射器 / 弾性表面波共振器 / 有限要素法 / 数値解析 / モ-ド結合理論 / 等価回路理論 |
Research Abstract |
SAW(Surface Acoustic Wave)と略称される弾性表面波デバイスは、エレクトロニクス産業におけるキ-デバイスの一つとしての地位を確立しているが、特に最近になって、より高周波化、低損失化、小型・軽量化を目指したSAWデバイスの研究開発が世界的に活発化するのに伴い、その信頼性、再現性がさらに一段と厳しく要求されるようになり、一部経験に頼らざるを得なかった従来の設計法に代る高精度な設計技法開発に対する要望が急速に高まってきている。ここでは、SAWデバイスの高周波化、低損失化、小型・軽量化などの要請に対応できる高度なSAWデバイス設計技術を開発するとともに、SAWデバイスの高性能化実現の指針となる設計資料を提供することを目的として研究を進め、下記の成果を得た。 1.SAWデバイスの基本構造であるグレ-ティング、すなわち同期構造導波路を伝搬するSAWのブリルアンダイアグラムを算出するための有限要素法に基づく高精度な解析法を開発した。 2.SAW反射器の反射特性ならびにSAW励振用すだれ状電極の励振特性を評価するためのモ-ド結合理論、あるいは等価回路理論に基づく解析法を開発した。モ-ド結合方程式中の結合係数や等価回路中の回路定数は、従来、経験的に、あるいは実験的に定められることが多かったが、本研究では、1.の有限要素法によって算出されたブリルアンダイアグラムに関する情報から、これらの諸定数をすべて理論的に定めることを可能とした。 今後は、上記の設計技術に適したソフトウェアを開発し、これをSAWデバイスの高性能化のかなめとなるすだれ状電極の設計に応用して、最適設計のための指針となるデ-タを提供するとともに、本設計技術の信頼性について多方面から検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小柴正則: "An Analysis of Excitation Characteristics of Interdigital Transducers for Surface Acoustic Waves" Japanese Journal of Applied Physics. 28. 105-107 (1989)
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[Publications] 長谷川弘治: "Finite-Element Solution of Rayleigh-Wave Scattering from Reflectivle Gratings on a Piezoelectric Substrate" IEEE Transactions on Ultrasonics,Ferroelectrics,and Frequency Control.