1989 Fiscal Year Annual Research Report
高速摺動接点における無線周波雑音の発生機構解明と低減法の研究
Project/Area Number |
01550330
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 修 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135316)
|
Keywords | パンタグラフ集電系 / 離線現象 / 無線周波雑音 / 摺動接点 / 離線率 / 放電率 / 統計測定 |
Research Abstract |
電車集電部の離線に伴う無線周波雑音のレベル低減化は沿線の電磁的環境保全に緊要の課題とされてはいるが、離線現象の複雑さゆえに雑音発生の機構解明が十分でなく現時点においては雑音低減の決定的手法は見いだされていない。本研究の目的は電車集電部モデルとして頻用される摺動接点での無線周波雑音発生機構を離線の発生率や頻度との関係において定量的に解明し、車両側での抜本的対策となり得る雑音発生量の少ない集電部材料を提供することである。平成元年度においては離線・放電発生率自動計測装置の製作と特性測定を行ない、集電系離線現象の機構解明を試みた。新たに得られた知見はつぎのとおりである。すり接点材として黄銅を用いた場合の離線率と放電率の統計分布,これらの摺動速度・通電電流に対する依存性、トラッキングジェネレ-タを用いた無通電時における離線率などを統計測定した。その結果、離線と放電の両発生率はいずれも正規分布に大略従うこと、これらの中央値に注目するときは摺動速度が増加すると共に離線率は増加するのに対し放電率はある速度に達した後は減少すること、通電電流の増加に伴い離線率、放電率はそれぞれ減少、増加の傾向があるが、両者の和はほとんど変わらず無通電における離線率にほぼ一致すること、などの重要な知見を得た。現在、開発済みの自動計測装置に離線・放電回数の測定と雑音レベルの同時測定の両機能を追加し、装置動作の検証実験を行なっている。
|
-
[Publications] Osamu Fujiwara,Kohji Yamashita,Takashi Azakami: "A Proposal for Estimating Pantagraph Discharge Rate Using Noise Current" Proceeding of 8th Symposium on Electromagnetic Comapatibility,Zurch,Switzerland. 8. pp.441-445 (1989)
-
[Publications] Souichi Tsukamoto,Osamu Fujiwara,Takashi Azakami: "CurrentーDependences of Discontact Properties in SlidingーContacts" The Transactions of th IEICE. E72. pp.346-347 (1989)
-
[Publications] 山下,藤原,阿座上: "雑音電流の統計的性質を利用する離線率推定の一提案" 電子情報通信学会論文誌. J72ーCーII. pp.715-721 (1989)
-
[Publications] 塚本,藤原,阿座上: "摺動接点において現われる離線現象の固有特性" 電子情報通信学会環境電磁工学研究会技術資料. 89. pp.105-110 (1989)