1990 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-ロコンピュ-タによる心臓画像からの左心室輪郭検出エキスパ-トシステムの開発
Project/Area Number |
01550333
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
英保 茂 京都大学, 工学部, 教授 (40026117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 尚紀 岡山大学, 工学部, 助教授 (10167885)
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Keywords | ニュ-ラルネットワ-ク / RI画像 / 画像認識 |
Research Abstract |
心臓病の増加にともない迅速で正確な心機能解析の必要性がますます高まっているが、中でも左心室壁運動の評価は虚血性心疾患の診断に欠くことのできない重要な情報である。この左心室の壁運動を定量的に診断するためには、心臓画像から左心室の部分を正確に検出する必要がある。本研究は、ニュ-ラルネットワ-クの学習機能を利用し、心臓輪郭検出が行えるシステムの開発を行うことを目的とし、循環器の専門医が検出した心臓輪郭を教師信号としたバックプロパゲ-ションアルゴリズムによる学習を行い、それによって得られた検出基準を利用した心臓輪郭検出法の開発を検討した。ニュ-ラルネットワ-クを用いて、心臓画像デ-タから心臓領域の識別を行い、その評価を行った。2次元画像パタ-ンをそのままニュ-ラルネットワ-クに入力するのではなく、動画像の時間的濃度変化パタ-ンを学習し心臓領域の識別に利用した。 バックプロパゲ-ションアルゴリズムの学習能力は、予想していたよりもはるかに強力であり、学習回数に比例して確実に誤差は減少した。本研究により循環器の専門医が与える教師画像を学習したニュ-ラルネットワ-クを用いて、心臓領域の自動識別の可能性が確かめられた。しかしながら、汎化能力は、一連の動画像を奇数フレ-ムと偶数フレ-ムに分け、それぞれを学習デ-タと未知デ-タとして評価を行ったが、未知デ-タの識別結果は、必ずしも満足のできるものではなかった。今後ニュ-ラルネットワ-クの汎化性を高めるためには、ネットワ-クの構成や入力デ-タの与え方などを検討する必要があると思われる。実用的な心臓輪郭検出エキスパ-トシステムを構築するためには、従来の画像処理手法、人工知能手法、そして本研究で行ったニュ-ラルネットワ-クを組み合わせた総合的なシステムを作成する必要があろう。
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[Publications] Shigeru Eiho: "3ーD Reconstruction of Myocardium from MRI and A Display System of Pulsating 3ーD Heart Image" Computers in Cardiology 1989. 211-214 (1990)
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[Publications] Naoki Asada: "Potential Usefulness for Differential Diagnosis of Interstitial Lung Diseases:Pilot Study" Radiology. 277. 857-860 (1990)